プロ野球セ・リーグの首位攻防戦、阪神ー広島20回戦が9日、甲子園球場で行われ、阪神が大竹耕太郎の投打の活躍で5-1で快勝、連勝を7に伸ばすとともに、優勝へのマジックナンバーを1桁の7としました。大竹はプロ入り6年目で初の2桁勝利となる10勝を挙げました。
ソフトバンクから、昨年末の現役ドラフトで阪神に移籍した大竹は、今季9勝のうち、広島から4勝0敗、防御率0・76と「広島キラー」と言われ、阪神の岡田監督も自信を持って大事な一戦に送り出しました。
その言葉通り、一回は二死からの内野安打1本だけ、二回は三者凡退と好調な立ち上がりを披露。そして迎えた二回裏の攻撃。1点先取の後の一死一、三塁で大竹が打席に。大竹はソフトバンク時代は5年間で3打数0安打。今季は30打数1安打の打率3分3厘だったが、プロ初安打が5月20日の広島戦でこの日の先発・森下から打った遊撃内野安打。その森下からバントの構えで3球見逃し、カウント2-1から高めの145キロの速球を、今度はバントの構えから強振するバスターで左越え適時二塁打としました。これがプロ初長打でした。阪神はさらに2点加え、この回計4点。
大竹は自らの打撃でさらに波に乗り、六回まで広島打線に二塁を踏ませない完ぺきな投球。七回、二死からマクブルーの三塁ゴロを佐藤輝が失策を犯し、走者が初めて二塁へ。続く田中の詰まった遊撃後方の飛球が安打になり、1点失ったものの、失点は1(自責点0)だけ。結局、6回2/3を5安打、無四球、球数91で乗り切り、10勝目(2敗)を挙げました。
早大から、2017年度にソフトバンクの育成選手ドラフト4巡目で入団した大竹。ソフトバンク時代は5年間で10勝9敗で、最近2年間は0勝に終わっていました。ところが今季は阪神1年目で早くも10勝。中日で4番を打つ細川成也とともに、「現役ドラフト」で成功した選手と言えます。
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1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。