「野球の華」と言われる本塁打。今季、米大リーグでチーム本塁打の新記録が生まれる可能性が出てきました。そのチームは、アトランタ・ブレーブス。6日(日本時間7日)時点で265本で、2019年にミネソタ・ツインズがマークした307本にあと42本に迫っています。

 今季のブレーブスは、勝率.652(90勝48敗)。ナ・リーグ東地区で、2位のフィリーズに13・5ゲーム差をつけて首位を独走するとともに、メジャー30球団の中で最高勝率を記録しています。チームがアトランタに移転した1966年以降、最高勝率だったのは98年の.654(106勝56敗)で、チーム史上最高の成績更新も狙っています。

 ブレーブスは、投手力、打力、守備力、総合力のどれをとっても高いレベルにあるが、中でも打力、特に本塁打数の多さが特筆されます。44本の大谷翔平(エンゼルス)を2本上回る46本で両リーグトップのマット・オルソンをはじめ、34本のオースティン・ライリー、33本のマルセル・オズナ、32本のロナルド・アクーニャら20本以上打っている打者が7人おり、チーム全体で265本。2位のドジャースが216本で50本近く上回っています。

 ツインズが307本で最多記録を樹立した2019年は、MLB全体で6776本。それまで最高だった17年の6105本を671本も上回り、2位のヤンキースが306本、3位のアストロズが288本と、「飛ぶボール」のお陰で増えたという側面がありました。

 しかし、今季のブレーブスは、2位のドジャースに49本差と大差を付け、「ブレーブスだけ多い」格好になっています。それだけに、ブレーブスが新記録を作ることになれば、価値ある記録となると思います。

 ちなみにプロ野球のチーム最多本塁打は、2004年の巨人がマークした259本。

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 1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。