第105回全国高校野球選手権記念大会は21日、甲子園球場で準決勝が行われ、慶応(神奈川)と仙台育英(宮城)が23日の決勝戦に進出しました。慶応が勝てば、1916年の第2回大会以来107年ぶり2回目の優勝。仙台育英が勝てば、2004年、05年の駒大苫小牧(南北海道)以来18年ぶりの連覇となります。
慶応は二回、二死二塁から小宅雅己の右中間二塁打で先制すると、六回にも追加点を入れました。小宅は投げても伸びのある速球と鋭い変化球が制球良く決まり、土浦日大(茨城)打線を7安打完封。2-0で慶応が粘り勝ちしました。
仙台育英は1-1の同点の三回、一死三塁から斎藤陽のスクイズで勝ち越し、さらに鈴木拓斗の中越え2ランなどで加点。投げては、高橋煌稀ー湯田統真のリレーで神村学園(鹿児島)の反撃をかわし、6-2で勝利を収めました。
慶応の「107年ぶり」は、史上最も間隔を空けての優勝となります。もしこれを上回るとしたら、第1回大会優勝の京都二中(現府立鳥羽高校)が優勝することです。鳥羽高校は2015年の第97回大会に出場し、ベスト16まで勝ち進んだことがあり、充分可能なことです。
仙台育英は昨年、1915年の第1回大会から108年目にして、初めて東北地方に深紅の大優勝旗をもたらしたが、それがなんと2年連続で「白河の関越え」を果たすことになります。また、連覇は駒大苫小牧以来だが、北海道のチームの優勝も04年が初めてで、それが連覇となると、不思議な巡りあわせとしか言いようがありません。
「107年ぶりか、連覇か」。両校は、今春の選抜大会で対戦し、延長十回、仙台育英が2-1で慶応にサヨナラ勝利を収めました。投打とも、超高校野球レベルにある両校の対戦だけに、興味は尽きません。
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1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。