第105回全国高校野球選手権記念大会第10日は16日、甲子園球場で行われました。第1試合の創成館(長崎)ー沖縄尚学(沖縄)で、沖縄県予選から無失点を続けていた沖縄尚学の東恩納蒼は、八回に1点失い、48回で無失点記録は止まったものの、5-1で勝利を収め、ベスト8に進出しました。

 沖縄大会で31回1/3を無失点。甲子園でも初戦のいなべ総合学園(三重)を完封。創成館戦でも八回二死二塁の場面まで無失点を続けていたが、ここで永本翔規に右前適時打を打たれ、無失点記録は途切れました。

 それでも、東恩納投手は140キロを超えるストレートとスライダーなどの変化球を制球良く投げ込み、1失点完投勝利を飾りました。

 地方大会無失点で甲子園に乗り込み、完封発進した投手は、平成以降だと、1989年の麦倉洋一(佐野日大)、2009年の岡田俊哉(智辯和歌山)、21年の当山渚(沖縄尚学)に次ぎ4人目です。

 昭和以前では、1952年の木村保(八尾)が大阪大会7試合、甲子園3試合の10連続完封や、63年の池永正明(下関商)の山口大会43回無失点、甲子園連続完封など、途轍もない記録が残っています。

 無失点記録が止まったとはいえ、東恩納の投球は今大会屈指の内容を見せています。準々決勝は、投打に高いレベルを誇る慶応(神奈川)と対戦します。広陵(広島)の好投手・高尾響を打ち崩した慶応打線が、どう東恩納を攻略するか。東恩納はどう慶応打線を封じるか、興味が尽きない準々決勝となりそうです。

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 1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。