巨人は前日(11日)の敗戦で、首位阪神に12ゲーム差、クライマックスシリーズ出場権がかかる3位のDeNAには3ゲーム差を付けられました。12日、東京ドームで行われたDeNA戦に先発した山崎伊織は「上位チームとのゲーム差をこれ以上離されてはいけない」との決意でマウンドに登りました。
この気迫通り、山崎は五回まで1人も走者に出さないパーフェクト投球。打線もこの好投に応えるように、その裏、一死二、三塁からブリンソンの左翼線二塁打で2点先取。さらに1点加え、主導権を握りました。山崎は7回2/3を3安打、1失点に抑え、巨人が5-1で勝ちました。
2008年10月10日、巨人は通算32回目(1リーグ時代を含めると41回目)のリーグ優勝を決めました。この年、7月8日の時点で首位阪神に13ゲーム差を付けられていたが、その後、9月に12連勝するなど45勝20敗1分け、勝率6割9分2厘で乗り切り、チームとしても、セ・リーグとしても最大ゲーム差逆転優勝を飾ることが出来たのです。
過去、2桁ゲーム差を逆転して優勝したのは8チームあります。1963年の西鉄(現西武)が7月12日時点の14・5ゲーム差を逆転したのが最大ゲーム差逆転優勝で、次が2008年の巨人の13ゲーム差。以降、ゲーム差だけ見ると、1996年の巨人、2016年の日本ハム、22年のオリックスがいずれも11・5ゲーム差。1958年の西鉄が11ゲーム差、98年の西武と2011年の中日が10ゲーム差を逆転しています。
13ゲーム差、さらに11・5ゲーム差と、2度も2桁ゲーム差を逆転した歴史を持つ巨人は、可能性がゼロになるまで、あくまで優勝を目指すことが求められます。「クライマックスシリーズ出場目指して、3位狙い」などの消極的な気持ちでは、Aクラス入りすら厳しくなってしまいます。
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1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。