米大リーグ、エンゼルスの大谷翔平は1日(日本時間2日)、敵地のブレーブス戦に「2番、指名打者」で出場し、スペンサー・ストライダー投手(24)に、メジャー史上最速となる123回1/3投球回で200奪三振を喫しました。チームは1-5で敗れました。
2021年10月1日のメッツ戦で大リーグ初登板を果たしたストライダーは、2年目の昨季、9月18日のフィリーズ戦で「シーズン200奪三振を130投球回で達成」というMLB史上最速記録を更新しました。それまでの記録は01年に130回2/3で到達したランディ・ジョンソン投手(ダイヤモンドバックス)でした。
今季のストライダーは、前日まで123回で199奪三振と、昨季を上回るペースで三振を奪い、この日のエンゼルス戦に臨みました。こうして、一回、無死一塁で打席に大谷を迎えました。
大谷は、初球の外角高めのボール球の159キロの速球を空振り。2球目は外角低めの158キロの速球を見逃し、カウント0-2と追い込まれました。3球目は外角低めのチェンジアップを空振り三振。大谷は、123回1/3で200奪三振の新記録を樹立した打者となりました。
三回の第2打席も速球中心の投球で追い込まれ、最後はスライダーに空振り三振。しかし、六回はカウント1-1から158キロの速球を弾き返し、遊撃手のグラブを弾く痛烈なゴロが内野安打となり、ストライダーとの対戦は3打数1安打の「引き分け」となりました。大谷はこの直後、今季13個目の二盗を成功させました。
野球の醍醐味は、チームの勝敗、優勝争い、プレーオフの進出争いなど「チームスポーツ」としての戦いとともに、この日の「大谷対ストライダー」のような「個人対個人」の対決があります。特に大谷は、この日の打者として剛腕投手をどう打つか、に加えて、リーグ3位の156奪三振投手として、強打者からどう三振を取るかという対決にも臨めます。
こんな対決ができるのは、大谷だけです。
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1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。