米大リーグ、エンゼルスの大谷翔平は30日(日本時間31日)、敵地のブルージェイズ戦に「2番、指名打者」で出場したが、2試合連続申告敬遠2度で、今季の申告敬遠数は12度となり、リーグトップタイとなりました。66四球はリーグ単独トップで、「四球攻め」は増える一方のようです。
三回、先頭打者として打席に立った大谷は左前打を打ち、一死満塁からレンフローの中犠飛で先制のホームを踏みました。しかし1-0の四回、二死後にレンヒーフォが左中間二塁打を打つと、ブルージェイズベンチは、続く大谷を当然のように申告敬遠。さらに1-1の九回、一死一塁では、最初は勝負を挑まれたが、暴投で一塁走者レンヒーフォが二塁に進むと、またも「申告敬遠」。
故障選手続出のエンゼルスだが、前日の試合で顔面に死球が当たったウォードも負傷者リストに入り、これでメジャー最多の17人が負傷者リストに入りました。野手だけ見てもトラウト、レンドーン、ドゥルーリー、ウォードと、上位打線にいた選手が次々と抜けています。
28日(同29日)のブルージェイズ戦の初戦で大谷が本塁打を打った後、ブルージェイズのチャプマンがシュナイダー監督に詰め寄り、「なぜ大谷と勝負するんだ?あのチームで打てるのは大谷だけだろ」とまくし立てたと、報道されています。
まさに、現状のエンゼルスはこうした状況にあります。これを打開するヒントがこの試合で見られました。延長十回、タイブレークで無死二塁から始まった攻撃で、エンゼルスのネビン監督は代打ウォーラクにバントのサインを出し、走者を三塁に進めました。続くレンフローは苦しくなったガルシアから左越え2ランを打ち、結局3-2でエンゼルスが勝ち、ブルージェイズ戦3連敗を免れました。
17人の負傷者が出て、大谷が「四球攻め」ばかりの現状では、バントなど「スモールベースボール」を駆使して、少ない安打でも得点する姿勢が求められます。「大リーグと高校野球は違う」という正論はもっともだが、今のエンゼルスは「高校野球戦法」が必要なように思えた試合でした。
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1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。