米大リーグ、エンゼルスの大谷翔平は27日(日本時間28日)、デトロイトのコメリカパークで行われたタイガースとのダブルヘッダー第1試合に「2番、投手」の投打二刀流で先発登板し、メジャー初完投、初完封で9勝目を挙げました。被安打1、三振8、四球3、球数111。スコアは6-0。

 大谷は立ち上がりから速球が走り、制球もよく、一回を三ゴロ、三振、左飛で仕留めました。二回も一ゴロ、二飛、三振。三回は三振、中飛、三振。四回は左飛、三振、三振と、四回までパーフェクト。

 しかし、五回。この回先頭のカーペンターに中前打を許し、初めて走者を出しました。それでも後続を三ゴロ併殺打、捕邪飛。六回は中飛の後、初の四球を出したが、後続を三ゴロ併殺打。七回は二ゴロ、一ゴロ、四球、三振。八回は四球、二ゴロ、三ゴロ、遊飛。

 こうして九回を迎えました。この回先頭のハースを二飛に仕留め、これでメジャー最長の8回1/3まで達しました。続くマッキンストリーを三振。最後の打者・グリーンを中飛に打ち取りました。完封勝利は日本ハム時代は7度記録しているが、メジャーでは通算83試合目の登板で初めてでした。それにしても、五回のカーペンターに打たれた安打は、なんとも惜しい一打でした。

 エンゼルスのネビン監督は「今日は、また一段ギアを上げたように感じた。八回に(大谷に)尋ねたら、『僕が試合を終わらせます』と言ってきた。良かった」。大谷は「ダブルヘッダーの1戦目だったので、チーム的にも個人的にも、もちろんよかった」と、満面に笑みを浮かべました。

 打撃は5打数無安打に終わったが、第2試合も「2番、指名打者」で出場し、二回、二死一塁で左翼席に37号2ラン、四回は右中間席にソロホーマーと、2打席連続本塁打。結局、第2試合は3打数2安打2打点、ダブルヘッダー2試合では8打数2安打で、打率は2割9分8厘となりました。エンゼルスは11-4の大勝で、4連勝。ただ、大谷は2本目を打った後で左腰付近に手を当てて気にする仕草を見せ、第4打席を迎えたところで交代。球団広報からは「痙攣(けいれん)」との発表がありました。

 軽症で済んで欲しいところだが、この日の姿は、まさに「大谷の前に大谷なく、大谷の後に大谷なし」を印象付けるものでした。

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 1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。