米大リーグ、レッドソックスの吉田正尚は16日(日本時間17日)、敵地のカブス戦に「5番、左翼手」で出場し、11号満塁本塁打や2点適時三塁打など5打数3安打6打点で、11-5で大勝したチームの勝利に貢献しました。

 吉田は打率を3割1分7厘に上げ、首位のヤンディ・ディアス(レイズ)に6厘差に迫る2位に浮上しました。これで2001年のイチロー(マリナーズ)以来の新人首位打者も現実味を帯びてきたが、実は、規定打席に9打席不足しているコリー・シーガー(レンジャーズ)が打率3割5分5厘で、「隠れ首位打者」となっています。。シーガーは2016年に新人王を獲得した巧打者で、左足の肉離れで今季の開幕早々約1か月離脱していました。このため、首位打者争いは先が見えない展開となっています。

 首位打者は規定打席に達しなくても獲得できます。規定打席に足らない分をすべて凡打と計算しても、打率トップの選手より高打率なら、首位打者として認定され、野球規則10・22(a)にもこのケースは「規定打席未到達でも首位打者と認定される」と明記されています。規定打席の計算方法は「試合数×3.1」。

 メジャーでは、1996年、トニー・グウィン(パドレス)が、打率3割5分3厘を記録したが、規定打席に4打席不足。ただ、4打席凡打と計算しても3割4分9厘となり、エリシ・パークス(ロッキーズ)の3割4分4厘を上回ったため初の規定打席不足での首位打者に輝きました。また、2012年のメルキー・カブレラ(ジャイアンツ)も1打席不足ながら首位打者だったが、ドーピング検査でテストステロンに陽性反応を示したことによる50試合の出場停止処分が規定打席不足の理由だったため、自ら首位打者を辞退したケースもありました。

 日本のプロ野球では、規定打席不足での首位打者が誕生したことはないが、二軍では過去9人が記録されています。

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 1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。