米大リーグ、ホワイトソックス対エンゼルスが29日(日本時間30日)、シカゴのギャランティード・フィールドで行われました。試合はエンゼルスが6-4で勝ち、連敗を3で止めたが、この試合で観衆の目を奪ったのは、ルーキーでメジャーデビューを果たしたエンゼルスの右腕ベン・ジョイス投手(22)の剛速球でした。
エンゼルスは初回に4点入れ、試合の主導権を握ったが、その後小刻みにホワイトソックスに得点を入れられ、4-3と1点差の七回に、2番手としてジョイスがマウンドに立ちました。この回先頭のボーンに対して、初球にいきなり164・1キロのツーシームを投げてストライク。2ストライクから外角低めのカットボールを中前に運ばれたが、全く動じない気持ちの強さも見せました。続くシーツに対しては外角高めの163・8キロのツーシームで、メジャー初の三振を空振りで奪いました。さらにゴンザレスには161・9キロのツーシームで空振りの三振。グランダルにはこの日最速の164・5キロのツーシームで左飛に打ち取り、上々のデビューを果たしました。この快投に乗せられた形で打線も目が覚め、八回に初回以来の得点となる2点を入れ、ホワイトソックスを突き放しました。
ジョイスは2000年9月17日、テネシー州ノックスビル生まれ。テネシー大学時代には、身長195・6センチ、体重102・1キロの恵まれた身体から、スリークォーター気味の投法で大学大学野球史上最速記録となる169・8キロの速球を投げて注目を集め、同年7月18日、ドラフト3巡目でエンゼルスから指名を受けました。一年目の今季は、エンゼルス傘下の2Aロケットシティから3Aを経ず飛び級で今月26日にフィル・ネビン監督から直接の電話を受け、メジャー昇格を告げられました。
この試合で攻守にわたり好プレーを披露したザック・ネト選手(22)も22年のドラフト1巡目で入団し、遊撃手のレギュラーをほぼ手にしています。ジョイス、ネトの新人コンビが大谷翔平選手やマイク・トラウト選手とともに、エンゼルスの地区優勝への大きな戦力となっていく構図が垣間見えた試合でした。
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1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。