米大リーグ、エンゼルスの大谷翔平選手は28日(日本時間29日)、本拠地で行われたマーリンズ戦で、4打数1安打。この1安打は「ゲン担ぎ」で打てたヒットだったようです。

 大谷は一回、第1打席で空振りの三振に倒れました。これで12打席連続無安打。この時着用していたのは白い手袋でした。そこで、四回の第2打席では赤い手袋に変えると、今度は打球速度176キロの鋭い当たりの右前打。ゲン担ぎが功を奏したようです。

 野球選手とゲン担ぎは切っても切れない関係のようで、例えばイチローさんは現役時代、シーズン開幕日の前夜には必ず牛タンを食べ、シーズン中は毎朝カレーを食べるゲン担ぎを行っていました。王貞治さんは選手の時、打てなかった翌日は必ず球場までの運転する道を変え、野村克也さんは監督時代、勝ち続けていると、パンツを変えなかったそうです。ただし、同じものなのか、同じ色のパンツを何枚も持っていたのかは定かではないようです。

 長嶋茂雄さんは、1959年6月25日に行われたプロ野球初の天覧試合の前夜、枕元にバットを5本並べ、緊張感からか夜中に目を覚ました時にふと手にした1本を、大一番の試合で使ったそうです。「天が遣わした1本」と信じ、そのバット使ってサヨナラホームランを打てたのでした。

 選手個人だけでなく、チームとしてもゲン担ぎをすることがあります。上原浩治さんが所属していたレッドソックスでは2013年、ジョニー・ゴームス、マイク・ナポリという2人の選手がスプリングトレーニングからヒゲを伸ばし、開幕を迎えました。すると、開幕から勝利を重ね、影響を受けた他の選手もヒゲを伸ばし始めました。これで一致団結したのか、前年の地区最下位から、一気に世界一へと上り詰めたそうです。

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 1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。