米大リーグ・エンゼルスの大谷翔平選手は9日(日本時間10日)、本拠地で行われたアストロズ戦に「3番、投手」の二刀流で出場、「8番、捕手」には、この日メジャーに昇格したばかりのクリス・オーキー捕手が入りました。

 今季の大谷は、昨季バッテリーを組んでいたマックス・スタッシー捕手が臀部の張りのために故障者リスト入りしたため、開幕はメジャー2年目の23歳の若手捕手・ローガン・オハッピーとバッテリーを組みました。そのオハッピーは4本塁打を放つなど打撃が好調で、守備も溌溂とした動きと、大谷が主導する配球にも対応し、好スタートを切ったが、肩の手術で離脱しました。

 代わりにマスクを被ったのは7年目のチャド・ウォーラク捕手。しかし、ウォーラクは首痛のためこの日、故障者リストに入ってしまいました。そこで、3Aからオーキー捕手を急遽上げたが、同捕手はメジャー経験はわずか7試合。しかも昨季はレッズに所属し、今年3月30日にエンゼルスとマイナー契約を交わしたということもあって、大谷の投球を受けるのは、この日が初めて。二回の守備では、7番・コーリー・ジュルクスが空振り三振したが、投球を後ろへそらして振り逃げとしてしまうなど、キャッチングに難が見られました。

 五回には、この回先頭のジュルクスにあわやホームランという大きな左飛を打たれると、大谷は動揺したのか続くジェイコブ・マイヤーズにストレートの四球を与え、一死一塁。ここで、大谷がエンゼルスに入団した時の捕手だったマーティン・マルドナドを打席に迎えました。マイヤーズはバッテリーの隙を突いて盗塁を決め、大谷の性格をよく知るマルドナドは、「大谷ーオーキー」のバッテリーの冷静さを欠いた配球を読み、6球目の「待っていた」というスライダーをジャストミートすると、打球は左翼席に入る逆転2ランとなりました。

 味方捕手のアクシデントに加え、相手捕手の的確な読みに屈した大谷。この試合は、「捕手」が勝敗を決めた形となったようです。

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 1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。