30日行われた巨人ー広島戦(東京ドーム)の一回、巨人は二死から坂本勇人選手が四球で出塁すると、岡本和真選手への3球目に二塁盗塁に成功。坂本の盗塁は昨年6月22日以来で、ルーキーイヤーの2007年から17年連続盗塁を記録しました。

 実は、この盗塁は、今季巨人の2個目の成功です。しかも1個目は4月11日の阪神戦の八回、二塁走者の増田大輝選手が三塁盗塁を決めたもので、二塁への盗塁成功は初めてだったのです。

 それにしても、開幕から1か月、25試合消化でわずか2盗塁は、いかにも少ないと言わざるを得ません。

 もちろん、盗塁数が多ければチームが強くなる、というほど単純なものではありません。実際、2001年にパ・リーグ優勝を果たした近鉄は、タフィ・ローズ、中村紀洋選手ら強打者をそろえた「いてまえ打線」の異名をとりましたが、その年のチーム盗塁数はリーグ最少の35でした。

 一方、かつて「世界の盗塁王」と言われた阪急の福本豊さんは通算1065盗塁、シーズン106盗塁の記録を持ち、巨人では「赤い手袋」の柴田勲さんが通算579盗塁、「青い稲妻」の松本匡史さんが通算342盗塁をマークするなど、盗塁の名手が数多くいました。エンゼルスの大谷翔平選手は1イニング2盗塁を2度決めるなど、二刀流で盗塁を今季5個決めており、1人で巨人のチーム盗塁数の2倍以上です。

 ちなみに、2リーグ分立以降、最小盗塁数は2004年の巨人の25。ペナント争いの行方とともに、今季の巨人の盗塁数は合計いくつになるか、たとえ少なくても優勝できるのか、などにも関心を持って見ていきたいと思います。

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 1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。