エンゼルスの大谷翔平選手は17日(日本時間18日)の敵地でのレッドソックス戦に「2番、投手」の二刀流で出場しました。しかし、雨による試合開始遅れ、中断などトラブルが4つ続出し、「勝利投手の権利を逃す」という不運に遭遇しながら、指名打者としては最後まで出場を続けてチームの連敗を3で止め、勝率5割浮上に貢献しました。
トラブル1「雨」ーー試合開始前からの雨で開始が56分遅れたうえ、三回表のエンゼルスの攻撃中に豪雨となり、1時間25分の中断となりました。ずぶ濡れによる肩の冷え、故障の事前防止などのため、5-1とリードの3回裏からエンゼルスは2番手でデービッドを起用。先発投手は五回まで投げ切らないと勝利投手になれないため、せっかくの「3勝目の権利」を逃してしまいました。
トラブル2「ジャンパーのチャック」ーー1回に中前打で走者に出た時、防水・避寒用のジャンパーを着ようと思ったら、チャックがなかなか閉まらないアクシデント。この時は何とか締まったが、二回に右前打で一塁に到達した際、今度は全く閉まらくなり、寒い中、ジャンパーなしのずぶ濡れでプレーを続けました。
トラブル3「ピッチコム」ーー二回の投球に入るところで、自身の耳のあたりを指しながら、ベンチに向かってアピール。サイン交換のための電子機器・ピッチコムの不調で、交換を要求しての行動でした。結局、大谷の機器ではなく捕手のオホッピーの機器の故障で、それを入れ替えて再開しました。
トラブル4「捕手の故障による暴投」ーー一回のエンゼルスの攻撃で、オホッピーはスイングの際に左肩を痛め、治療後にプレーを再開。しかし、その裏の無死一塁で、大谷のややそれた投球をオホッピーは痛みのためか捕球できず(記録は暴投)走者は二塁に。さらに同様のプレーをオホッピーは続け、一死三塁となり、レフスナイダーの遊ゴロで1点。四球、暴投、暴投、内野ゴロによる失点のため、大谷の自責点は1となり、防御率は試合前の0・47から0・86に。
こうしたトラブル続出に加え、ボストンマラソン開催による混雑緩和のため、大リーグではほとんど見られない午前中の試合開始(11時10分開始予定)という異例の試合だったが、大谷は降板後も「2番、指名打者」として最後まで試合に出場しました。トラウト、レンドンの主力欠場の中、チームの連敗を止めるために出続けた大谷の「勝利への執念」が象徴されたゲームでした。
◇◇◇◇
1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。