パドレスのダルビッシュ有投手は、16日(日本時間17日)行われた本拠地でのブルワーズ戦で、0-1の敗戦で今季初勝利こそ逃したものの、12奪三振で日米通算102回目の2桁奪三振を記録しました。これは野茂英雄さんの101回を抜き、日米合計で単独トップ、プロ野球で最多の金田正一さんの103回にあと1回と迫りました。
今季3度目の先発登板となったダルビッシュは、初回を3者三振に仕留めると、7回100球を投げて4安打、毎回の12三振、2四球、失点1の好投を披露したものの、味方打線の援護がなく、敗戦投手となりました。特に二回の失点は、今季から導入された新ルールの影響がある不運なものでした。
新ルールとは牽制球の回数が制限され、3度目でアウトにできなかった場合はボークとなるというものです。この回一死一塁で、初球を投げる前にプレートをはずしたことが審判から牽制とカウントされたが、本人もベンチをそうとは認識しておらず、その状態で一塁に2度牽制を行ったためにボークを取られ、走者は二塁へ。さらに三盗を決められ、アンダーソンに犠飛を打たれたという内容でした。しかし、ダルビッシュは気持ちを切り替え、その後は無失点に抑える我慢強さも見せました。
ちなみに2桁奪三振のメジャー記録は、通算5714奪三振のノーラン・ライアンが215回、4875奪三振のランディ・ジョンソンが212回(大リーグだけで100回以上は軽5人)となっています。プロ野球の倍以上の差があるのは、コツコツ当てていく打者が多い日本の打者に対し、メジャーでは「三振も凡打も一緒」と、2ストライク後も豪快に振り切る打者が多いことも考えられます。
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1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。