15日(日本時間16日)ボストンで行われたレッドソックスーエンゼルス戦で、1試合3打撃妨害の珍記録が生まれ、特にエンゼルスは打撃妨害が原因で敗れる痛いゲームとなりました。

 最初の打撃妨害はエンゼルスが2点リードの二回、エンゼルスの攻撃の際、二死一、二塁で大谷翔平選手が大谷がバットを振り出すとウォン捕手のミットに当たり、打撃妨害で無条件で一塁へ進み、満塁のチャンスとなりました。しかし、続くレンドーンが倒れ、エンゼルスに追加点はなりませんでした。

 得点に直接響いたのはエンゼルスが1点リードの八回。タピアの当たりは左飛となったが、この際バットがタイス捕手のミットに触れ、打撃妨害となって一塁へ進塁。さらにマグワイアのスイング時にも再びミットが当たりました。この回2度目の打撃妨害でピンチを広げ、張の左前への2点適時打で逆転されると、さらにレフスナイダーの押し出しの四球で、エンゼルスはリードを2点に広げられました。2度ミットにナットを当ててしまったタイスは「バットに当たらないために数センチ後ろに下がって構えるべきだった」と反省しきりでした。

 打撃妨害は珍しい出来事で、凡退すれば一塁進塁、ミットに当たっても安打や本塁打となれば、そのままプレーが進められるものです。プロ野球では本塁打数1位の王貞治さん、2位の野村克也さんは生涯一度も記録してないが、安打数の多い張本勲さん、山内一弘さんはともに通算10回記録しています。その中で、一番多いのは中日でプレーした中利夫さんの21回。大リーグではヤンキースなどで活躍したジャコビー・エルズベリーさんの31回が最多で、ともに本塁打より安打を積み重ねる選手だったのが共通点です。

 この「珍プレー」が1試合で3度、特にタイス捕手が1イニングで2度も犯して敗れたエンゼルス。前日の3失策での敗戦に続き、悔やんでも悔やみきれないミスでした。

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 1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。