今季初の伝統の一戦・巨人ー阪神戦が11日、東京ドームで行われ、昨年初めて実施された現役ドラフトで楽天から巨人入りしたオコエ瑠偉選手が1番打者として鋭い当たりを右に左に打ち分け、巨人の連敗を5で止める立役者となりました。
「現役ドラフト」とは、2022年から導入された、出場機会に恵まれない選手を対象とした移籍制度で、全球団が1人は獲得し、1人は取られるルールです。オコエは、関東第一高校(東京)から2015年のドラフト1位で楽天入りしましたが、16年から21年まで毎年50試合前後の出場と、レギュラー定着できませんでした。そして昨季はわずか6試合の出場で、25打数5安打打率2割、本塁打、打点ともゼロと、入団以来最悪の成績でした。
ナイジェリア人の父と日本人の母との間に生まれ、高い身体能力で、高校時代の甲子園で18打数6安打1本塁打6打点、打率3割3分3厘の成績を残しました。この潜在能力を生かすために巨人に移籍しましたが、東京の水が合ったのか、バットがよく振れています。過去2試合複数安打を続け、この日も一回の先頭打者としていきなり左前打を放ち、一死三塁の三塁走者として梶谷の左前打で先制のホームを踏みました。さらに三回はもう少しで本塁打という右翼フェンス最上部に当たる二塁打を放ち、3試合連続複数安打を達成。そして七回の二死満塁では右前2点タイムリーで巨人移籍後初の1試合3安打を記録するなど、打率を3割9分1厘に引き上げました。
オコエが1番打者として定着できれば、俊足で長打力もあるだけに、巨人巻き返しの大きな戦力となるはずです。
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1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。