大谷翔平選手が所属するエンゼルスは7日(日本時間8日)、ブルージェイズを相手に本拠地開幕戦を行いました。数々の開幕セレモニーの中で、特に注目を浴びたのが親子共演の始球式でした。始球式に登場したのは、エンゼルスOBで2004年にはMVPに輝いたウラジーミル・ゲレロさん。大役を終えると、ブルージェイズのベンチから息子で2021年本塁打王のウラジミール・ゲレロ・ジュニア選手が駆け寄り、笑顔で抱き合いました。

 大リーグには、ゲレロ親子以外にも、父が332本塁打、息子がメジャートップの762本塁打のボンズ親子をはじめリプケン親子、グリフィー親子、フィルダー親子など、親子そろって大リーグのトップ選手に挙げられるケースが多く見られます。

 一方、日本のプロ野球では、長嶋茂雄・一茂親子や野村克也・克則親子などの例がありますが、ともに父親の成績に比べて息子は遠く及ばず、親子そろって一流選手と追われる例は見られません。

 むしろ日本では大相撲に親子関取の例が多く見られます。特に鮮烈な印象を残したのは、大関貴ノ花を父に、ともに横綱となった若乃花、貴乃花兄弟です。さらに祖父が横綱琴桜、父は関脇琴ノ若で、三月場所では小結で9勝6敗の成績を残した琴ノ若は、史上初の三代関取を果たしました。このほか増位山親子、栃東親子など、各界では親子そろって一流力士が多く見られます。

 大リーグや大相撲で多く、プロ野球で少ない理由はよくわかりませんが、NPBの試合でエンゼルスーブルージェイズ戦のような光景を近い将来見られることを、期待したいものです。

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1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。