開幕から19打席無安打の巨人・坂本勇人選手は、7日の敵地での広島戦の九回、代打で出場し、抑えの切り札・栗林投手から四球を選びました。今季初安打こそならなかったものの、初出塁は記録しました。試合は2-4で敗れてしまいましたが、現役最多の2205安打を誇るレジェンドが、粘りの四球ををきっかけに、復活の兆しを見せた感じがします。
昨年、わずか5本塁打に終わってしまった危機感から、長打力を取り戻そうと自主トレからバットを振り込んできました。しかし、オープン戦は14試合で打率1割1分1厘、ホームランゼロと、一向に調子は上がらないまま、開幕を迎えました。長打力を求めるあまりに右肩が下がり、体が開いてバットが遠回りしてしまう悪循環にはまり込んでしまった坂本選手。
高卒2年目の2008年に134安打を記録して以来、3年目178安打、4年目171安打と安打を積み重ね、2021年まで14年連続100安打以上をマークしていました。それが、昨年は負傷もあって83試合の出場で87安打にとどまりました。本塁打数も3年目から二けた
を続けていたが、昨年は一けたの5本。それだけに復活が期待された今季でしたが、19打席無安打と、好スタートは切れませんでした。
しかし、2年目に巨人では松井秀喜選手以来の10代での開幕スタメンを果たすと、その後は1試合も欠場することなく出場を続け、夏場には打率2割2分台まで下がっても踏ん張り、結局全試合スタメン出場をマークしました。高卒2年目での全試合スタメンは中西太さん、清原和博さんに続いて史上3人目の快挙でした。
こうした実績を築き上げてきた坂本選手だけに、復活の可能性は高いといえるでしょう。
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1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。