一冊の本が手元にある。
先日、読んだ本…。
読み終えた後、すぐに本棚にしまわず、
少し手元に置いておきたいと思ったのは
文中にあった、我が母校の創始者である『濱口梧陵』の
その言葉をかみしめていたいと思ったことと、
関寛斎の
希有で崇高な生き様
そしてそれを支える『あい』の人生…
そんなことを少し考えてみたいと思ったから…、ナンチテ。

高田郁さんの『あい』という本。
帯紙には…
この愛の先には何があるのだろうか…
とある。
73歳にして北海道開拓を志した『医師・関寛斎』。
貧困な農家の子に生まれ
不遇な少年時代を経て、藩医師となり、
戊辰戦争の野戦病院での功績などの
これまでの地位や名誉をすべて捨て、
北海道の開拓を目指した。
そんな夫を支え続けた妻『あい』。
その『あい』の視線から関寛斎の生き様を描き、
そして波乱の生涯を綴った作品。
内容についての詳細は特に記さないけれど、
この本を読むに至った理由は、
冒頭の、我が母校の創始者『濱口梧陵』が登場し、
関寛斎をずっと支え続けたコトが記されているという
そんなことを聞いたから。
濱口梧陵

知ってる人は知っている
今の方は知ってる人が少なくなった?
戦前の国定教科書に載っていた人。
ラフカディオ・ハーン、日本名で言うと
『小泉八雲』が A Living God「生ける神」として
記した『稲村の火』と作品が教科書に載っていたので、
多くの日本人がこの名前を知っていた、ということかな。
モチのロンロン、ワタシの世代ではないけれど。
濱口梧陵
現、ヤマサ醤油の7代目であり、
本拠地は和歌山県の旧、広村。
紀州和歌山を本拠地として
千葉、銚子とを往来していた。
豪商であり、政治家であり、
また篤志家としても知られた人物。
濱口梧陵は醤油の豪商、実業家のみならず、
私利私欲を顧みない社会福祉事業や政治活動に尽力し、
近代日本の発展に大きな足跡を残している。
勝海舟も恩人として濱口梧陵を慕っていた。
そんなこんなの濱口梧陵。
詳しく書くと凄く長くなるのでそこは省略して、
この長編小説の中に記された濱口梧陵が
関寛斎に贈った言葉、これ心に残る…
それは、
人たる者の本分は、眼前にあらずして永遠にあり
つまり、
目先のことに囚われるのではなく、
永遠を見据えること…。
濱口梧陵が、支援していた関寛斎が自分の元を去る時言った言葉。
目先にある利益や欲にとらわれない
関寛斎の生き方に敬意を表しこの言葉を贈った濱口梧陵。
こんな言葉を送られる関寛斎は立派やけど、
関寛斎の想いを受け止めた濱口梧陵の器の大きさはこれまた凄い。
関寛斎と濱口梧陵…
彼らの共通した生き様は
目先の利益や私利私欲にとらわれず、
常に崇高な理想と実践を貫いたこと。
永遠にあり…
人間の生き様で崇高なこととは、
歴史に名を残すということだけではない。
誰にも知られなかったとしても、
常に目先のことに惑わされるととなく、
永遠を見据える生き方…。
なんか…
心に刻みたい言葉だと思います。
ナンチテ
…ちゅうことで、
ほな
また
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