オリエンタルホテルで名物のビーフカレーを!  神戸にて | The Sam's Room

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世の中にはビックリしゃっくりすることはいくらでもある。
世の中には普通とちゃうやろというモノもいくらでもある。
 
ひょっとすると、このお話も『ビックリしゃっくり』そして、『普通ちゃうやろ』というコトかもしれません。

な、な、なぁんとぉ~、カレーライスが 3,200円 というアホなお話し。
 
 
 
カレーライスやで…
日本の国民食やがな…
そんなん誰が食うちゅうねん!?
 
…と小市民であるワタシなんぞは思ってしまうのでありますぞ。
 

ボンカレーなどのレトルトやったら一袋160円くらいから260円程度。
甲子園カレーのレトルトも2袋入りで消費税抜き500円や!
街の食堂でカレーライスを食べれば600円から800円くらいやな。
COCO壱のビーフカツカレーでも800円チョイや、っちゅうの。
 
 
でも、
しかし、
but…

コレは違う。
メッチャ違うカレー。
著名人をウウッと唸らせ続けたカレー。
 
というお話は以前より伝え聞いております。
ですから、いつの日か、きっときっと…
コレを食べてみたかったのです、ずっと…。
 

イメージ 1場所は『オリエンタルホテル 神戸』。

オリエンタルホテルは1870年(明治3年)創業で、谷崎潤一郎の『細雪』にも登場したり、皇室の方々をはじめ、マリリンモンローやヘレンケラーなどの著名人に愛された名門ホテルで、日本で最古のホテルだったのです。
 
この写真は明治時代のオリエンタルホテル。
神戸という異国情緒たっぷりなところで数々のVIPから絶賛されていたホテルでございました。
 
 
ここおお料理はとにかくクオリティが高いという評判で、これまた数々の著名人達の舌をウウッと唸らしていたそうでございます。

なかでも、ビーフカレーはオリエンタルホテルの代名詞として多くの人々に愛された歴史ある味であったのです。
 
それがなんと…
例の神戸の大震災、1995年(平成7年)に壊滅的な打撃を受けて125年の歴史に幕を下ろしてしまいったのをいました。

その後、オリエンタルホテルは経営主体も変わりましたが2010年3月、阪神淡路大震災から15年の歳月を経て、神戸旧居留地25番館内にオリエンタルホテルが再オープンするに至りました。

 
しかし、時は15年も経過しており、オリエンタルホテルのビーフカレーの味を再現することは不可能かと思われていた矢先、当時のシェフの遺族の方がレシピを見つけてくれたそうです。
 
それをモトに、新しく総料理長になったシェフが『オリエンタルホテルのビーフカレー』の再現に乗り出したというわけですな。
 
そんなモン、ムズカシイ話しですよ。
だって、自分が食べたことのない味を再現しようとするんだもんね。
ムッチャ想像力が要るし、創造する力も要る…。
走り書きのレシピだけではなかなかムズカシイ作業であったでしょう。
 
食材探しからはじめ、目をつけたのが淡路産のタマネギだったそうです。
レシピによると、『タマネギを油で揚げて使う』とのこと。
 
なに?
カレーに入れるタマネギって普通炒めて使うんでしょ!?
でも、ここオリエンタルホテルではタマネギは油で揚げるらしい。カラカラになるまで揚げて使うと言うことでしたが、不思議ともう一つ味に深みが出てこないと言うことで悩んだ総料理長…。

結局…
三ヶ月間幻のビーフカレー再現に真剣に取り組んできたのですが、オリエンタルホテル再会の日までには名物『ビーフカレー』をメニューに載せることが出来なかったそうです。
 
でも、追求すると言うことはすごいことで、遂に当時オリエンタルホテルでシェフをやっていた人にあうことが出来、そのヒミツが明らかになったそうです。
 
それは…
伝統という名のスパイス』。
 
つまり…
オリエンタルホテルのカレーの味の深さのヒミツ…
 
それは、
毎朝作るカレールーに、前日作ったカレールーの残りを混ぜ込むこと…だったそうです。
これを繰り返し繰り返し毎日行うことで、毎日毎日味が深くなってくると言うわけですな。
 

一晩寝かしたカレーが美味いとよく言われますが、オリエンタルホテルではそれを何十年も繰り返していたのです。
それこそが、『伝統という名のスパイス』、
歴史の分だけ深いコクと味に育って行くというわけです。
 

 … … … ■ ■ ■ … … …
 
 
さて、お話が長くなってしまいました。
 
それでは、今回は思い切って念願であった
オリエンタルホテル名物『ビーフカレー』を食べに行くことにいたしました。
 
イメージ 2
 
オリエンタルホテルでございます。
 
 
清水の舞台から飛び降りる…
まさにそんな感じですナァ。

だって、カレーに3,200円もの大金を出すんでございますよ。
 
 
カレーですよ。
3,200円ですよ…
 
あぁ、小市民は『清水の舞台』からではなくて、
スカイツリー654mから飛び降りるくらいの心持ちなのでございます。
 
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いざ、エレベーターで行かん!
 

どんなお味なんだろう…
 
ワクワクドキドキ。
 
ケッコウ興奮いたしますな。
 
だって、今までいつか食べてみたいと思っていたカレーに遭遇できるのですから。
未知との遭遇であります。
カレー大好きオヤジとしては期待が膨らむのです。

さて、やって参りました17階のメインダイニング。
 
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旧オリエンタルホテルのダイニングルームはこういう感じだったそうです。
数々の食通を唸らせてきただけあって、それらしく落ち着きと気品のあるダイニングですナァ。

今は…
 
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こんな感じでございます。

歴史を継承した重厚な感じも漂うレストランに仕上がっております。

さて、入ってみましょうか…。

イメージ 6案内されて着いた席がこのような窓際の席でした。
 
明るく清潔。

真白きテーブルクロスがまばゆいのでございますな。
 
開店すぐですのでまだお客さんはまばら。
でも、15分もすれば多くの予約客でダイタイが埋まってしまいました。
 
女子率、高っ!
オヤジ率、低っ!
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ここでも、日本の食文化の特異性が良く表されておりました。
とにかく、こういう所はどこに行っても、女子・女子・女子… 。
オバハン、おねえちゃん、オバハン、オバチャン、おね~さま…、
と女子率の高さが際立っております。
 
あぁ、日本の経済は女性によって支えられているのか!?
そうです、特にレストランとか、こまっちゃくれたお食事処は女性の力無しでは繁盛無しなのでございます。
 

そんなん置いといて…
 

では、おもむろに…
 
『ビーフカレーをお願いいたします、おほほほ…』
 
ちょっと普段とは違う上品さでオーダー。
だって、COCO壱とは違うンやでぇ!
 
 
では、いよいよ念願のビーフカレーに出会う瞬間がやって参りました。
 
いざ…
 
『お飲み物はどうなさいますか…』

ワインを…
 
と言いたいところですが、おっとどっこい!
 
クルマで来てしもたやンか。
アカン、アカン…

飲んだら乗るな、飲むなら乗るな…
だもんな。
 
ここはグッと我慢してミネラルウオーターで。
 
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で、お料理。

先ずは、サラダから…
 
イメージ 8

キレーなお色ですな。
新鮮シャキシャキな野菜達。
 
あまり主張が強くないドレッシングが野菜のうまみを引き出してくれております。
 
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オリエンタルホテル特製のパン…
 
えっ!?

カレーやのにパン?
カレーライスやのに?
なんでパンやねんな?
 
『焼きたてのパンでございます。どうぞ…』
 
そうか…

カレーライス食べる前にパンを食べるってチョットヘンやと思うけど、まぁ、エエか…

モチロン、ふわっとして美味しいパン。
良質のエキストラバージンオイルが程良くパンの味を高めております。
 

さて、いよいよです。

遂にご対面…

その前に、
 
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薬味…
 
いろんな薬味が運ばれて参りました。
 
『お替わりできますので、カレーに混ぜてお使い下さい。』だって。
 
でも、こんなにイッパイあるし、
薬味のお替わりなんて出来へんよな!?
 
 

では、いよいよメインの登場です。
 
 
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これが、伝統のオリエンタルホテル自慢の『ビーフカレー』。
 
良い色です。

少し量が多い感じもします。
 
 
でも、なんでカレーって『アラジンの不思議なランプ』みたいな器に入って出てくるんだろう。
 
コレをこすると
『ご主人さまぁ~』
と魔法使いが出て来そうやな。
 

で、ゴハン…
 
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『ゴハンに対してルーが多めとなっておりますのでご飯のおかわりをしていただけます』
などと言う、早見ゆう、北天ゆう、ダルビッシュゆう…

そんな…
大衆食堂じゃあるまいし…
 
おね~ちゃぁん~、ごはん、おかわりぃ~! …って叫べるはずもない!?
 
ココはいっちょお上品に…
 

ちょっとずつ名物ビーフカレーをかけて食べてみましょ。
 
ん~、これは…

素晴らしいコク。
素晴らしい深み。
 
まるで深海1万メートルのような深みのあるカレーですこと!
ほのかな甘さはタマネギのカラカラに揚げたところから来るのでしょうね。
確かに味の深みと熟したカレー独特の甘さは『幻のカレー』と呼ぶにふさわしい。
 
モチロン、ビーフカレーです。
ごろごろとでっかいビーフがタップリ入っております。
 

あぁ、至福ですな。
これはやっぱり違います。
思いっきりゴハンにルーをかけてみたくなりました。
 
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ははは…
 
チョットお上品でなかったかな?
薬味もタップリ添えてみました。
ほら、でっかいお肉の塊も見えるでしょ。

美味しさが伝わるといいなぁ…。
 
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デザートは三種のジェラート。
 
そして、〆は…
 
イメージ 15
 

チョット濃いめの珈琲。

カレーで3,200円はとっても贅沢でしたが、
念願のオリエンタルホテルのビーフカレーを堪能できて満足いたしました。
 
コレを再現したシェフの努力に感謝しつつ、
満面の笑みを浮かべてレストランを出ることが出来ました。
 
美味しかったです…。
 
ありがとう。
 
ラブラブ!