あづいどぉ…
あじぃ。
あじぃ。
ムッチャ、暑い!
汗が滝のように流れるというのはこのことを言うんだな…
この汗の滝はナイヤガラ クラスかもしれん。
この汗の滝はナイヤガラ クラスかもしれん。
今、歩いてる…
炎天下なのに。
どやねん…
炎天下なのに。
どやねん…
お盆も過ぎればアホほど強い夏の陽射しは緩むはずなのに…、どやねん。
で…
やっぱり、アホやったな。
さっきのオネ~サンの忠告を聞いておけば良かったモノを、どうして炎天下を歩きたがるんだろうな、ワタシ。
ホンマ…、こんな炎天下を歩いても、えぇんテンカ…、やめテンカ…
アホやな…、やっぱり…
ホンマ…、こんな炎天下を歩いても、えぇんテンカ…、やめテンカ…
アホやな…、やっぱり…
約30分ほど前のことだった。
ワタシは山口県の『湯田温泉』の観光案内所にいた。
ワタシは山口県の『湯田温泉』の観光案内所にいた。
湯田温泉…
それは山口市にある山陽路随一の温泉街。
昔々…
湯田に権現山というのがあってその麓の寺の池に小さな池があった。そこに傷ついた白狐が毎夜やって来て足を浸していたそうな。
その様子を見ていた和尚さんが池に手を入れるとほんのり温かいではないか。そこでその池を深く掘ってみると湯が湧き出てきて、薬師如来の金像が現れたので和尚さんおったまげて仏像を安置した。この仏像を拝んで湯に入るとどんな難病でも直ぐ治ったと言うことから評判になったのが湯田温泉の始まりだという。
ほほぉ~、どんな難病でも直ぐ治る…
直ぐ!? そう! 難病でもナンビョウもかからず直ぐなおる!? ナンテネ
直ぐ!? そう! 難病でもナンビョウもかからず直ぐなおる!? ナンテネ
湯田温泉に来たのは某大会のレセプションがあったのでそれに出席するため。
でも、せっかくだからチョット早い時間に来て湯田温泉の名所を巡ってやろうと思って早めの到着だった。
観光しようか…
先ずは、湯田温泉と言えば『中原中也』だ。
知ってるだろ?
汚れつちまつた悲しみに
今日も小雪の降りかかる…
今日も小雪の降りかかる…
そう、あの『山羊の歌』の一節だ。有名だな… ワタシでも知ってる!?
意外と、ワタシも詩人で歌人で、ロマンチックがとまらないのが真実のワタシ…ナンテネ!?
中原中也…、結核のため30歳で夭逝した詩人だ。
ちなみに、彼は太宰治とは仲が悪かったらしい… 中也は酒が入ると太宰をいつもこき下ろしていて、太宰も中也のことは良く思っていなかったとか。
ドウデモエエケド。
ドウデモエエケド。
酒癖が悪かったらしいでぇ…、
酒癖が悪い、という中也、なんチュウヤつやねん!?
酒癖が悪い、という中也、なんチュウヤつやねん!?

で、その中原中也が生まれたのはここ『湯田温泉』…
ほら…
『生誕の地』という碑が建ってる。
その生誕の家は随分前に火事で燃えてしまったンだけど、跡地に建つのが『中原中也記念館』だよ。

とってもお洒落な外観だな。どこかの有名な建築家が設計した…らしい。
そこで暫し中也の世界に浸っていたワタシ…。
あぁ、詩人チックなワタシ…
あぁ、詩人チックなワタシ…
なになに?
似合えヘンって…!?
似合えヘンって…!?
ほ、ほ、ほっといておくれやす。
ワタシだって詩ぐらいは理解するのでございますぞ。
中原中也は友人に彼女を取られて詩作に没頭したというよね。何故だか文学などの世界では恋人のやり取りが仲間内で行われることが多いな。何故なんやろな…。佐藤春夫と谷崎潤一郎の話は有名過ぎるし…
そんなこんなで、中原中也記念館を訪れ、そしてその近くの『井上公園』へ。ここにも中也の歌碑がある。
やっぱり中也の生誕地だけのことはある…
中也の息づかいがアッチコッチにあるんやね。
中也の息づかいがアッチコッチにあるんやね。
で、問題はここから!
中原中也巡りだけでは時間をまだもてあましていたのだ。
だから…
中原中也記念館の直ぐ近くにあった『観光案内所』に立ち寄ることにした。
どこか良いところがないかなって…聞こうと思ってね。
観光案内所のオネ~サンは、ワタシが既にチェック済みの定番中の定番、例えば『山口ザビエル記念聖堂』と『五重塔』なんかを教えてくれました。
で、歩いて行くのはどれくらいかかりますか、って訪ねると。
オネ~サンは…
『今日は暑いですからねぇ。歩いて廻るのはタイヘンですよ。』 でも、歩いて行きたいモン…
『今日は暑いですからねぇ。歩いて廻るのはタイヘンですよ。』 でも、歩いて行きたいモン…
そうなんですよ、歩いて廻ると町の様子がよくわかって良いんです。楽しいんです。
だから、歩いて廻ろうかなって思って。
全部歩いても5km程度の道のりだし、大丈夫…
だから、歩いて廻ろうかなって思って。
全部歩いても5km程度の道のりだし、大丈夫…
そう思ったのだな、これが!
オネ~サンは、
『暑いわよぉ…』 イイモン、わかってるモン!
あっ、レンタサイクルもあるんですかぁ…
『自転車もネェ、あるけどぉ~、暑いですよぉ』 わかってるって。でも、時間もあるし、ユックリ歩いて廻りたいんだよ。
…ということで、観光案内所のオネ~サンの忠告を完全無視して、歩いて市内名所巡りをすることにしたのです。
でも、
しかし、
but…
いざ歩き出すと、我が意志を砕くようなこの暴力的なこの暑さはどうだ!
…という状況に陥っていたのが、冒頭の『あづいぃ…、あじぃどぉ~』ってヤツですな。
湯田温泉から歩き始めて約30分…
普段なら鼻歌交じりのヘ~キな距離ですが、この暑さは… なに!!!!
熱中症で倒れそうヤンか。
ナイヤガラか那智の滝… それとも華厳の滝か、白糸の滝…
流れ出る汗が目に入って痛いどぉ。
あぁ、通り過ぎていくバス…
あぁ、通り過ぎていくタクシー…
あぁ、通り過ぎていくタクシー…
乗りたいどぉ。
でも、
しかし、
but…
しかし、
but…
歩くって決めたんやから… 歩くンやっっ! ココラヘンガ ガンコ&イコジ!?
あぁ、色白のワタシの柔肌が… 焼けていく、焦げていく… ヒヤケドメヌッテルケド。
『み、み、みずぅ~』
砂漠を歩く放浪者の気分がようわかるどぉ…
『み、み、みずぃ~』
このまんまやったら熱中症になるどぉ…
このまんまやったら熱中症になるどぉ…
あぁ、時計を見ると歩き始めてもう40分…
おっとぉ~、あの白い建物は…
大発見やぁ~、ざ、ざ、ざびえるぅ~!?
そうです、先ず派の目的にしていた『サビエル記念聖堂』とおぼしきモノが見えてきた!
でも、
しかし、
but…
しかし、
but…
それは小高い丘の上にあったのでございました。
ぎょえぇ~、そこ登るの?
平坦地を歩くだけでもヘコヘコなのに、まだもうヒト登り!?
まぁ、ココまでせっかく来たのでございます。
登りましょうとも!
坂なんて、坂なんて、坂なんて… ガックリ…
登りましょうとも!
坂なんて、坂なんて、坂なんて… ガックリ…
そんなこんなで、暑さでヘコヘコになりながらも『山口ザビエル記念聖堂』へ続く坂道を『行』だと思いのぼることに。

白亜の教会…
キレーやンか。
なになに?
ここはザビエル教会… えっ? 『ザ』と濁らずに『サ』だって?
ザビエルじゃなくて『サビエル』…!?
どうでもエエがな…
ワシャ、暑うてシンドイんや。サでもザでもどっちでもエエがな…
点の話しだけに…
なに言うテン!? テンで話にならん!? テンごうせんといて!? テンは我を見捨てた!? テンでんばらばらなダジャレやな!?
なに言うテン!? テンで話にならん!? テンごうせんといて!? テンは我を見捨てた!? テンでんばらばらなダジャレやな!?
で、フランシスコ・ザビエルのオッサンが山口に来はって400年を記念して1952年(昭和27年)に建てられたんやと。でも新しいやン…。
そやねん…
1991年(平成3年)9月5日の失火で全焼したらしい。ほんで、後ろに立つ塔は50mもあんねんて。
カリヨンの鐘やな…。誰にカリヨン、いや借りてヘン!?

100円払ろうたら中へ入らしてくれた。ムッチャキレーなステンドグラス。
しばし感動、で、うごカンドウ… 動かんどう!? そう動けないぐらいなのでございますな。
しばし感動、で、うごカンドウ… 動かんどう!? そう動けないぐらいなのでございますな。
外には、井戸端で説教をするザビエルのオッチャンの像や、幸せ(平和?)の鐘がありました。もちろん、『カァ~~ン』と鳴らしました。メッチャでっかい音だったのでびっくりしたどぉ!?

さぁてぇ、ココまで来たンやからな。
せっかくやから、もう一つ二つ観光したろ…
でも、あぢぃ…
ポカリスエットを自販機で買って一気のみ!
いっき、いっき、いっき、いっき… 軽いモンさ。
いっき、いっき、いっき、いっき… 軽いモンさ。
飲んだとたんに汗がドバぁ~っとまるで噴水のように吹き出してきた。
ホンマ… かなわんなぁ…
ホンマ… かなわんなぁ…
でも、行こ!
山口歴史民俗資料館?
ん~、行きたいけど、暑いし… パス!
ん~、行きたいけど、暑いし… パス!
で、県庁?なんとまぁ…
山懐に包まれたところに県庁!?
山懐に包まれたところに県庁!?
よろしいなぁ…
エエ環境のトコに建ってますな。
県庁の前の方にこんな大門が。
『藩庁門』だそうです。
『藩庁門』だそうです。

幕末の時に立てられた門がここにあるモン!? どんなモンだ!?
そうだよね、幕末にきっとココを桂小五郎や高杉晋作、そして伊藤博文などが通り抜けていったのかもしれないねぇ。
長州… おそるべし!

これは、お土産に買ったお菓子。
長州出身の有名人が描かれたクッキー。
やっぱりすごいな、山口!
この一角に、旧県庁舎がありました。背後に現県庁を従え荘厳な感じで建つ『旧県庁』。趣がございますね。
歴史を感じさせますなぁ。



このお隣には、旧議会棟も。これまた趣があります。

さてとぉ、では本日のめいんえべんとぉ~。
国宝・五重塔へ出かけることにしましょう。
県庁から歩いてチョット、汗のかきついで、暑さついでですな。
瑠璃光寺…
そこに建っているのが国宝『五重塔』です。


美しいお姿…
全国に幾多の五重塔はあるけれど、この塔は全国で10番目に古く、『日本三名塔』に数えられてるんだって。
他は奈良の法隆寺の塔、京都醍醐寺の塔…。
なるほどねぇ…
で、檜皮葺の五重塔って、他にいくつも無いですよねぇ。奈良の室生寺や長谷寺の塔、厳島など数少ないな。
とにかくきれいな塔でした。
本堂にお参りし、チョット興味があった『うぐいす張りの石畳』へ。

『うぐいす張り』というと、歩くと廊下がキュッキュッと音を立てるあれだけど、『石畳』ってどうよぉ?
どないなってるンやと来てみると、普通の石畳…
歩いてもキュッキッキッキュなぁんて音がせえへンやンけ…
違うんです。
ここで『手をたたく』と何とも言えない美しい音が返ってくると言うんです。
パチッと叩くと跳ね返る音のキレーなこと。
パチッと叩くと跳ね返る音のキレーなこと。
コレはびっくりですな。
人為的に作られたモノでは無いそうですが、付近の石段や石垣に反射して返ってくるのでしょう。すばらしい…
まだまだ行きたいところもイッパイ逢ったのですが、今夜かはこれからある会のレセプションがあるのです。
それに出席するために来たのですからもうそろそろホテルに返らないと…
でも、もう暑いのはヤだ。
ここから裏道を通り、如何にも涼しげな竹林を通り抜ければ県庁の方に出て参りました。おっと、ちょうどバスが!
『湯田温泉に行きますか?』
と運ちゃんに聞くと行くという返事。
と運ちゃんに聞くと行くという返事。

行きは地獄、帰りは極悪…
バスのおかげで冷房の効いた社内で快適に湯田温泉に戻ることが出来ました。
さて、これからレセプション…
湯田温泉の心地よい湯で汗を流して、出直すといたしましょう…
ではでは…
(追伸)
オーストラリア訪問記シリーズの途中ですが、気分でその後すぐに行った山口のことを間に挟んでしまいました。
いつもの気まぐれ故、許しておくれやす…
次回のお話は、この続きになるか、それともオーストラリア記に戻るか…
それはワタシの気まぐれ次第…
ではでは…