浅草…、ロマン溢れる古き良き時代の『神谷バー』のひととき…の巻 | The Sam's Room

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東京、この世界でも希有な繁栄と独自の文化と歴史を持つ華の都…

その中でも私が愛してやまないところ…
それは…
今はやりの謎かけ風に言うと。

ワタシのいるところとかけまして…

昼は無味無臭…
夜もくっさい匂いは皆無なのでございます。
で、臭い時はMORNING…朝なんですなぁ~

と、解きます。

そのココロは…

『朝,臭ぁ~』、朝くっさぁぁ~、浅草…、ばんざぁ~い!?


てなてな訳で、本日は『浅草』のお噂でございます。スンマセン、オヤジギャグで…!?

ワタシ、本日も華のお江戸…、浅草におります。
でも、仕事ですがな…
今日も気を使うお仕事ご苦労さん、てなてなコトで、仕事も終わって疲れを取るには『チョイとイッパイ引っかけて…』と言うのが我々オヤジ族にしてみれば定番中の定番なのでございます。

で、そのひとときの休息と憩いを求めて場所を考えたあげく、お泊まりしているところのすぐ近くで、一人で簡単に食べられ飲めるという大衆的居酒屋さんで、しかも歴史に彩られたところ…なぁんて無謀なことを考えてやって来たのは…。

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(早朝散歩の時撮影)                (午後6時30分、これから入りますぞ!)                         

浅草の一丁目一番地一号という正真正銘の1丁目1番地にある老舗の『神谷バー』をチョイス。

そんなこんなで『神谷バー』にやって参りました。
バーとは言っても、皆さんが思い浮かべるような一般的な『バー』ではございません。
元々は酒の小売店で、一杯売りが高じて飲み屋さんになってしまったという奇妙な(?)歴史を持つ極々普通の居酒屋さんチックなモノでございます。大衆食堂みたいなところですなぁ。

創業はなぁんとぉ~、明治の13年ということですので、西暦に直すと1880年ですよねぇ。…ちゅうことは今年は2010年やから、えっとぉ~????

ほほほ…
簡単な算数は苦手やねん…
因数分解とか、数Ⅲやったら得意やけど…!?

で、創業以来130年ってかぁぁぁぁ~!!!

そんなこんなの古い、歴史のあるところでございます。

前置きはそのくらいにしまして、では店内へ…
このお店は大将10年に建てたモノだって、それだけでもすごい歴史だよね。

ここはチケット制でございまして、最初はカウンターで食べたいモノや飲みたいものを注文してチケットを買うんです。

で、チケットを持って、おもむろに席を探します。
まぁ、ワタシは先に席をキープしてから食券を買いに行くのですけどね…。

まぁ、でもすっごいモンですわぁ…
いつ行っても席は満席状態で、常に相席でございます。

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ワタクシめも、本日は仕事の帰りでございますし、それも一人でだけの仕事ですから、当然と言えば当然の如く『ONLY ONE』、つまり『一人のみ』、すなわち『一人飲み』なぁんて訳なのでございます。
寂しいなぁ…
でも、仕方ない…

では、ご注文!!!

ニポン人故、日本酒が好きなワタシですが、ここはそれを我慢して…

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BEERでございます。
えっ! 先ずはビ~ルゥってアッタリ前ヤンかぁ…って!?

ちがうんです、ちゃぁうって!

ここの生ビールは特別!
アサヒビールから特別に直送された生ビールを、これまた専用の500リットルも貯められるタンクで、キッビシィ~品質管理を行っているBEERなのですよぉ。だからぁ~、ワタシのように繊細でクリーミーな泡が最高なのでございます。

でも、このBEERを注文する意味はそれだけや10、イヤ8…、いやいや、9やでぇ…。
そうです、それだけでは9、ナインです!?

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その意味は、コレなんです。
えっ、わかりにくいかなぁ…

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これが、ここの名物『デンキブラン』なのでございます。
なにぃ~と疑問の貴兄へ!

デンキブランとは…
この神谷バーオリジナルのお酒で、明治15年に製造販売されたモノでございますよぉ。
コレが出来たのは明治ですからねぇ…、当時、ハイカラなものには『電気』という名前を付けたそうです。
ブランって『ブランデー』の略ですよねぇ。で、電気+ブランデー=デンキブラン、ちゅう訳でございます。
アルコールは30度あって、ケッコウ効きますぞ!
で、これはブランデーをベースに、ワイン、ジン、キュラソーなどをミックスして作っているそうですが、製法は秘密だとか…。

で、通は、この『デンキブラン』は、生ビートと共に交互に飲むのでございます。
通ぶる悪癖(!?)を持つワタシなのでございますので、モチのロンロン、デンキブラン+BEERになるっちゅうことですなぁ…。

で、お食事も頼まんとお腹すいたぁ~状態でございます。

オーダー!

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先ずは『茄子のしげ焼き』です。
コッテリした揚げ茄子に出し汁+生姜&カツオブシ。
茄子には油がよく似合う…最高の揚げ物ですなぁ。
茄子大好き。
ちなみに、ワタシ、関西人は茄子ではなくて『なすび』と言います。最後に『び』がつくんですなぁ。最後やから『び(尾)』ってかぁ。なかなか関西弁も理にかなってる!?

で、まだまだ食べたいぞぉ~!

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メンチカツだぁ~~~~~!
うっまいぞぉ~!
大好きだぁ~!

で、なんで関東では『メンチ』なんだろう?
ワタシども関西では『ミンチ・カツ』やでぇ~!
まぁ、エエわぁ~、美味しいモンは美味しいンや!
名前にこわだったらアカン…

次ぎ行こう!

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チョット、へうすぅぃ~にヤッコ。
冷やっこなんかでジャパネスクぅ~!
コレもエエなぁ…

ああ、日本酒欲しくなってきちゃったぁ~なぁ~。

でも、今日は『デンキブラン』の日やからなぁ。

おにぃちゃぁ~ん、デンキブランもう一丁ぉぉぉ~。

ちなみに、最初に食券を買うと、追加オーダーはテーブル席でウエイター&ウエイトレスの方に注文できるんです。
でも、現金と引き替えでございますぞ!
シッカリ経営してはります!
いつもニコニコ現金払い…なんですよぉ。

で、もう一品…

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どっかぁ~ん!

どやぁぁぁ!
名物『串カツ』でございます。シッカリしたお肉が入って、410円ざます。
これは中々良心的価格です。
ボリューム満点やし…。

ああ、よくよく考えたら、ぜぇ~んぶ、脂モンヤンかぁ…(やっこを除いて)
ああ、アカン…

ブタブタブ~タになる…(もうなってる!?)

生BEER+デンキブランも5杯飲んだし…

最高に健康に悪い!?


てなてな『神谷バー』のひとときでございます。

ちなみに…

『神谷バー』は、文学にもよく登場します。

ひとつご紹介しましょうね。
ここの店が出てくる代表的な小説は『忍ぶ川』、昭和35年に芥川賞を受賞した三浦哲朗さんの作品です。
不幸を背負う若い二人が初めてのデートをする場所、そこが浅草であり、そして『神谷バー』のブドー酒とデンキブランだったのでした。


でも、こんな幸せな時間ではなくて、ワタシの本日の気持ちにピッタリなのは…、
大正初期の荻原朔太郎のこの歌…。

『一人にて 酒を飲み居れる憐れ(あわれ)なる となりの男 なにを思ふらん』
           神谷バァにて…

朔太郎20代のころ、店内がお客さんでざわめいているのをよそに一人でロンリーにグラスを傾ける…そんな状況が伝わってきますねぇ。何だか淋しさと侘びしさを感じます。
今日のワタシもこれと同じ状態かなぁ…。


で、この歌の通りに哀惜になった人々を観察してみましょうか。

ワタシの前に座った中年の男性の行動はこうでした…

人間ウオッチング・レポート…、ではでは!

■■■ 中年男性Aの場合 ■■■
一人で入ってきて、ワタシの前に座る。
オーダーは生ビールと焼きトリ一皿だけ。黙ってそれを食べ、飲んだ後すぐに席を立って帰って行きました。
何だか、サラリーマンの哀愁を感じる飲み方でしたねぇ…。
奥さぁ~ん、もっとお小遣いあげてぇ~!!!


■■■ ワタシの斜め前に座った男性Bの場合 ■■■
オーダーは先ずはデンキブランでした。
その一杯はすぐにテーブルに届きましたが、フードがすごく遅い…。
フォークとナイフがもう既に置かれて20分以上経つのでした。
最初はクールにデンキブランをチビチビ飲んでいた中年男性。
ヒゲを蓄え、ちょっとオシャレでクールなオットコマエ。
チビチビ…、
オイオイ! 
飲むならグッと飲めヤァ~と思ってしまう人間ウオッチング中のワタシ…。
そのヒゲの紳士は段々苛ついてくるのでした。
だって、フードが全然来ないんだもん。
あまりの遅さに…、そうです、30分以上も待たされているンどすぇ~。
指がちょこちょこリズムを取り始めました。まぁ、イライラしてるんでしょうなぁ…。
手を組んでみたり、指をトントンしてみたり… あらまぁ、シッカリ苛ついている…!
ワタシも帰りたいんだけれど、この中年の紳士が何をオーダーして、どういう風に食べて帰って行くかを見届けたいという気持ちが沸々…。
結局、35分以上も待たされて出てきたのが『ラム肉の焼き物』。800円ヤンかぁ…
紳士クンは不平な顔つきもしないでヘ~ゼンと食べ始めました。
で、フォークとナイフの使い方がヘン…。それって反対と違うのぃ~。変なフォークとナイフの使い方でした。
で、デンキブラン1杯だけ????
で、フードはその単品だけ???
ん~!?
なぁんて小食なんでしょうか!?


まぁ、いろんな人が来てはります。

それぞれの人生と生き様が出ているような…

そろそろ帰ろ。

もうお腹いっぱいヤシ…
そうです、お腹が一杯になってローン&ローンしながら…、
あれぇ~、違うなぁ…
ローンと違うぞぉ~。
あっ、そうやぁ! ゲップ・ゲップしながら!?

てなてなワケで、東京は浅草、1丁目1番地の歴史ある『神谷バー』のディナーのひとときでございました。