江戸っ子だってねぇ、寿司を食いねぇ、という名台詞での連想は? | The Sam's Room

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ふとしたときにすごく食べたくなってくるのが『寿司』『餃子』『焼き肉』。
なんの脈略もない取り合わせですが、ワタシにはこの3つのモノがたまにすごく食べたくなってくるBEST3なのです。

『江戸っ子だってねぇ』
『おう、神田の生まれよ』
『そうかいそうかい、寿司を食いねぇ』
というやり取りがあるのは、あの有名な先代広沢虎三による浪曲「石松三十石舟」の中で森の石松(清水次郎長の子分)が、舟に乗り合わせた旅人に寿司を勧めらる有名な台詞です。
そんな話しはどうでもイイのですが、これが連想クイズのような感じで、私の頭の中で繋がり、神田・江戸っ子・寿司といえば「神田江戸っ子寿司」という神田にある寿司屋さんを勝手に連想してしまったのです。このお寿司屋さんは東京山手線、神田駅の周辺に数店舗あり、創業47年の老舗なのです。

前振りが長くなってしまいましたが、
「今日、寿司食べたいなぁ」
という気持ちが急にわいてきたのと、神田にいるということが『合体』して、「神田江戸っ子寿司」に入ることにしました。私が今回行ったのは「神田江戸っ子寿司・中店」です。

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まだ午後6時ちょっと過ぎという早い時間のせいかはどうかわかりませんが、座っていたお客さんは、ジジィ…、いやいや「人生に長い歴史を有するお二人の紳士」だけでした。
まだこんな時間だというのに、相当酩酊されているご様子で、大変愉快そうに大声でお話をされていました。会社を息子か誰かに任して悠々自適の生活を楽しんでいらっしゃるそうです。それは結構なことでございますなぁ。

このお二人、ドンドンお酒を召し上がっているご様子で、
「燗ちょうだぁ~い」
と何度もおっしゃっておりました。でも、ここのホール係のお兄ちゃんが注文を聞き忘れて板さんに叱られまくっておりました。可哀想に…。

そんなことはどうでもイイので、ワタシはおつまみで数品オーダーし、ビールから芋焼酎の湯割りに移っていくのでした。
そういえば最近、日本酒を飲まなくなりましたねぇ。今までは大の日本酒党で「ビールなんて最初の一杯だけしか美味くないねぇ」とか、「焼酎なんて何が良くて飲んでいるのかわかんないよねぇ」と毒づいていたワタシですが、今では日本酒は滅多と口にすることがない状態です。何がこうさせたのでしょうか。日本酒を飲むと次の日、お酒が残るようになってきたからかもしれません。それって何?? 歳?? 

おつまみも良いけど、何か握ってもらいたい。普段だったら、最初は「ウナギ!」と注文するところですが、東京ではウナギはあまりポピュラーな握りではなく、しかも甘ダレを塗ってというような食べ方はしないようなので(モチロン出してくれるところもありますが)、ここは百歩譲って、私が大好きな「玉子」と、関西ではあまり寿司で出てこない「こはだ」を頼みました。最初からどんな組み合わせやネンって感じですが、まぁエエか。

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寿司屋のカウンターで食べていて写真は撮りにくいですよね。これ一枚だけとりました。あとは無粋だし、お寿司を楽しみたかったので写真はこれで止め!

そうこうしているうちに、6人ほどのお客さんが入ってきて店内はにぎやかになりました。男女同数ぐらいで、会社の帰りのような感じです。ここのホール係の男性は冗談が好きみたいで、ジョークを飛ばしながら接客。なかなかおもろいヤツのようですが、板さん連中はあまりお好みじゃないのかな、一寸渋い顔をしているのをワタシは見逃しませんでした!

続けて入ってきたのはこれまた会社帰りとおぼしき2人のサラリーマン。上司と部下のようです。この店はお馴染みらしく、板さんとなにやらお話をずっとしていました。
途中の会話が耳に入ってきました。この上司らしい人は釣りが趣味のようで最近はなかなかいけないけどとぼやきながら、
「黒鯛(チヌ)はねぇ、引きが強くて釣っててすごく楽しいんだよ」
と話しをしています。何センチのモノをつったとか、この釣り方は云々かんぬんとなかなか蘊蓄家のようです。そのサラリーマン氏が続けて、
「それと、これがスッゴク美味いんだ」
と続けました。すると、板さんがぽろりと、
「でも、身が締まって無くてもう一つ…」
と言ったのを受けて、
「君は新鮮なヤツを食べたことがないからだよ」
だって…。この魚は、形は良いのと釣りやすいので都会の釣り人には人気なのですが、食べるとイマイチ美味しくないのです。身は引き締まっていなくて、どうもイマイチ…。ワタシの友だちで漁師をしているヤツなんぞはこれが料理屋で出ると「なんや、この店は!」と怒ってしまいます。ワタシもこれはそんなに誉めるほど美味い魚ではないと思うので、話しがどんな展開になるかときいていると、
「板さんはダメだなぁ。今度俺がとびきり新鮮なのを釣ってくるから食べてみるとわかるよ」
と自信たっぷりに言い放ちます。板さんも相手はお客さんですから、仕方がないなぁ、といった顔つきで、
「そうですねぇ、新鮮なモノってそんなに美味しいのですか?」
と愛想笑いで問います。
「そうそう、勉強不足だよ、キミィ!」
だって。板さんは苦笑いをしておりました。
このオッサン、アホちゃう…と思ってしまったワタシなのでした。板さんはこの道のプロなのによくぞそんなことを言ったモノです。まぁ、この人の味覚はそんなモノなんでしょうね、きっと。
ちなみに、かく言うワタシもそんな立派な「肥えた舌」を持っていませんけどね。肥えてるのはお腹の周りやって!? し、しつれいな!!! 
別段、盗み聞きするつもりはなかったのですが、一人で飲んでいると周りの会話や仕草がよく観察できてきて、ついつい色んなことをおもしろく聞いてしまうのです。 

一人で食事をするのが大の苦手なワタシなのですが、一人で東京に来ているんだもの、一人で食事をしなきゃ仕方がないのです。連絡をすれば一緒に飲むような友人達もここ周辺にいますから誘っても良いのですが、今宵は一人酒が良かったのです。人間ウオッチングも出来たし…。
たまに一人でゆっくり飲むのも良いものかな…。寿司屋のカウンターだと寂しさはあまりないですね。あと数品を握ってもらい、適当な時間で切り上げました。一人酒だと深酒しないですみます。今日は早く寝ましょう。明日は重要な会議があります。
おやすみ…。