こんにちは
むか〜〜し、昔、
付き合っていた男がいた。
その頃のわたしは
相当荒れていて、
そして、心の中は
めちゃくちゃだった。
２０代も終わろうとしているのに、
思うように人生が回っていなくて、
焦っていて、もがいていて、
その欠乏感を埋めるかのごとく、
遊びまわっていた。
そんな時に知り合った彼。
知り合ったときは、確かに、
他の周りの男性よりは、特別だった。
だけど、好きじゃなかった。
なんで付き合っていたのかというと、
多分、自分の自尊心を
埋めるためだけだったのだと思う。
だって、この恋が、
なんともうまくいかないのだ。
どうやっても、
自分の思う通りにならない、、
いつもケンカばっかりで、
いつも、歯がゆくて、
そして、彼を憎んでいた。
思い通りにならないもんだから、
よけいに意地になってしまって、
離れられないで、付き合っていた。
前述の通り、この頃のわたしは
心の中がめちゃくちゃだったわけで、
なので、おのずと、
相手の男もイヤなやつだったわけです。
そう、
彼は、まったくもって
わたしの鏡だったのだ。
いや、
正しくは、わたしに合わせて、
彼のイヤなところが引き出されていた、
と言った方が正しいと思う。
人は色々な部分をもっている。
付き合う相手によって、
その心は、良くも悪くも
引き出されてしまうのだ。
２〜３年前に、街でこの彼を
見かけたことがあった。
彼の姿を見たとき、
わたしは、
懐かしくなったどころか、
憎悪の気持ちが
押し寄せてきて、
嫌悪感さえも溢れてきた。
顔も見たくなかったし、
口も聞きたくなかった。
もう、彼と別れてから、
２０年近くも時を経たのに、
どうやらわたしは、
相変わらず、彼のことが
大嫌いみたいだった。
でも、気づいてしまったのだ。
わたしが
今も彼のことを憎い、
そう思ってしまうのは、
あの頃の自分を
思い出すからなんだ。
この男を通して、
あの頃の自分の
心の中を見ていたのだ。
この男の人は、ただの人、なのだ。
何もない、ただの人で、
昔わたしが付き合っていた人。
ただ、それだけ。
それ以上でも、以下でもない。
もし、今、自分自身を
すご〜〜〜く愛せていたら、
この彼を見ても、
なんとも思わなかったのだろうか、
笑顔で、"ああ、久しぶり、"
とか、話せたのだろうか、、、
そんな考えが、しばらく
わたしの頭の中を占領した。
そして、
どれだけ、あの頃の自分は、
自分自身を
粗末に扱っていたのだろうか、
そう思うと、涙が出てきた。
彼とはじめて出会ったあの頃に、
わたしの心が愛に溢れていたら、
彼は、素敵な恋人として、
わたしの記憶に
刻まれていたのかもしれない。
だって、人は自分の鏡だから、、、
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