朝、歯磨き粉をなるべく少なめにした歯ブラシをくわえ、
床に広げた朝刊を覗き込む。
今朝も我が阪神タイガースが交流戦でなかなか勝ちきれない事意外、
どうやら世の中にたいした問題は起こってないようだ。
米軍基地問題よりもブラゼルのホームラン数のほうが私には重要だ。
が、この日はちょっと気になる広告が…
スバル(富士重工)から、「衝突回避・衝突被害軽減機能」のついた、
ぶつからない自動車が発売されたとある。
これはすごい。もし車が勝手に衝突を避けてくれるなら、
ブレーキとアクセルの踏み間違え事故はなくせるではないか。
口を濯いで歯ブラシを仕舞い、もう一度新聞の前に戻った私は
もう一度この広告を詳しく読んでみることにした。
ドライバーがブレーキと間違ってアクセルを踏んでも、
この車は誤操作から人間を守ってくれるのだろうかと。
アクセルとブレーキを踏み違える事故で命を落とす人がいる。
そんなイージーミスで命を落とすなんて、かわいそうで気の毒で、
なんとか防ぎようがあるだろうにと思うのだが、
これといった防止策は今のところ無いようである。
恥ずかしなが私は、ブレーキ・アクセル踏み違え事故を起こした事がある。
その日間風邪で体調は最悪だったが、「風邪くらいで…」と仕事に出かけ、
夕方の渋滞路で時速10キロ位のノロノロ運転の最中、私の意識も朦朧。
前の車が停まったのも解らず、ぶつかってから「おっ」と我に返ったのだが、
問題はそのあとで、何を思ったかアクセルをこれでもかと踏み、その車を前へ前へ押してた。
でもそれはブレーキを踏んだつもりでしたこと、決してでわざとではない。
その時私が身をもって得た教訓は、
ブレーキを踏んで停まらない時には、「あれっなんで停まらないんだ?」と、
よけい強く踏むものなんだという事。それがアクセルだとも知らずに。
おそらく、急発進でビルから転落したり、コンビニに飛び込んだりした人は、
私と同じく「あれっなんで停まらなの?」を体験してるに違いない。
私の場合追突した車のバンパーを少し余計に押した程度で事は済んだが
教訓を得ることなく命を落としたのでは元も子もない。
単純な予防策なら、3ペダル(マニュアル車・MT車)に乗ればいい。
これなら、どんなに慌ててとっ散らかっていようと、
左足を突っ張ってクラッチを切ってしまえば、たいした事にはならないし、
コンビニの壁にぶつかる事はあっても、車ごと店内になんて絶対起こらない。
しかしこの方法は、多くの人に支持を得る事はないだろう。
せっかく便利で楽チン、スリッパでも運転できる、2ペダル(オートマチック・AT車)を
手放して、いまさら面倒な3ペダルに戻るなんてナシだろう。
それならば、左足ブレーキはどうか。
「2ペダルなんだから、左足ブレーキをすればいい。」という意見は良く耳にする。
何でもアメリカが正しいわけではないが、アメリカ人の多くは左足ブレーキらしい。
やってみると、初めは力加減に違和感を覚えるが、出来ないことはない。
「これは結構いいんじゃないか?」と思う。是非試してみてほしい。
ただ、ブレーキとアクセルが近すぎるのか、太腿をピッタリくっつける事になる。
私など特に、左足をガバッと広げてまるでソファに深々と座ってくつろいでいるような
男らしい(?)運転姿勢に私など慣れているためか、足をピッタリ閉じての運転は
なんだかミョーな感じだ。夏場は余計に辛いかもしれない。
ペダルの距離は車種によってまちまちかと思うが、改めて2ペダルというのは、
「右足1本運転」を前提に作られているのだなと、これは目からうろこだった。
いつもは右足ブレーキでも、「左足だって出来る」ように練習しておく事はお勧めだ。
MT車なんか買う気もなければ、左足ブレーキもまっぴらだという頑固な方なら、
スバルの「衝突回避・衝突被害軽減機能」に試乗なさっては如何だろう。
「AT誤発進制御機能」で、コンビニに飛び込む事は防いでくれる。
しかし港で海を見た後だったなら、残念ながらドボンだ。
このほかに市販で、「アクセルをブレーキのごとく踏みつけたらエンジンが切れる。」
というシステムも販売されているので、そそっかしい方はお考えになってはどうか。
私が免許をとって始めて乗った車は、4速MTのパワステなし。
とにかく気を抜くとどこへ行くか解らないオンボロで、常にある程度の緊張感を
強いられる乗り物だった。信号で停まって発射する時は、アクセルとクラッチを
やさし~く操作してやらないとたちまち「プスン」とエンジンが止まる。
そこへいくと今の車の運転はとてもイージーで、緊張感など感じる事はまずない。
それはとてもいい事だと思う。
運転手が緊張感をなくしたり、誤った操作をしない場合に限ってはだ。
「これは誤った操作だ。」と車が判断してくれる人工知能が出来るまで、
まだ暫く時間がかかるだろう。
これまで「アクセルとブレーキの踏み違い」をしたことないあなたでも。
人間いつ「ボヤっ」としてしまうか解らない。
そんな将来のあなたのため。
家族に「ちょっと頼りないかなぁ」と言う方がいるあなたにも、
間違わないための対策を家族で話し合われては如何だろう。
体験してからでは取り返しのつかないこともあるのだ。