「来年2月で火災保険が切れるので・・・」
と、お電話をいただいたのは、66歳の男性河本さんから。
聞いたときは、「ずいぶん先の話だな。」と感じたのですが、
せっかくのお電話なので早速たずねてみた。
河本さんのお宅は、軒を連ねるようにお姉さん(たぶん70代)のお宅が立っていた。
これまでは2件とも「NOSAI」という農協の共済に入っていたのだが、
このたび、農家でない人は農協の共済にに加入できなくなったため、
知り合いの私のお電話をいただいたのだ。
これまでの農協保障内容を拝見すると、
河本さん宅は 建物1100万円家財100万円の保障内容
隣のお姉さん宅も 同じく1200万円と240万円となっている。
建物の保険はほぼ再調達価格に達しているが、
家財の保険はいかにも少ない。一部保険である。それでも付いているだけまだましとも言えるが。
河本さんからの依頼内容は「同じような保険はあるの?」「同じような保険料で入れるの?」である。
前者の答えはもちろん「イエス」同じ保障内容は用意できる。
後者の答えはやや「イエス」農協の共済よりは少し保険料は余計に必要になる。
ただ、「はいそうですか」とそのままの保険金額、保障内容で保険をお預かりしても、
例えば小火(ぼや)のようなことになったら、どうなるだろう?
建物は一部の損害ですんだとしても、消火活動によって水浸しとなった家財は、
ほぼ全滅するだろう。実際に支払われる保険金は、
建物の修理費用全額と家財の100万円。お姉さん宅でも240万円
建物を直して残りの100万円で家財道具が揃うだろうか?おそらく無理だろう。
そうなると年金暮らしの河本さんとお姉さんにはお金の負担が重くのしかかる。
一人暮らしの河本さんで500万円、二人暮らしのお姉さん方は800万円程度は、
家財保険に入っておく必要がある。もし保険料負担が大変ならば、
減らすのはむしろ建物保険金のほうだと思う。
そこで、河本さん宅建物550万円(50%)家財500万円
お姉さん宅同じく600万円、800万円
こうすることで、消火活動ですぐに水浸しになってしまう家財から沢山の保険金がでる。
建物も一部損の場合に実損担保、仮に全焼となっても今とほぼ同じ保障がえられる。
全焼に至らない場合には、保険金だけで建物の修理が出来て、家財も買い揃えることが出来る。
保険料は少し高くなるが、間違いなくこっちのほうが実際には守備範囲が広い。
河本さんとお姉さんには都合3度ほど打ち合わせをして、2月にはこの保険にしようと、
ご了解をいただいた。
かえる道々考えてみた。これこそがもっとも正しい保険の入り方なのではないかと。
昨今は、家を新築して入居(引渡し)間近になって火災保険を加入するケースが圧倒的に多い。
そのほとんどが35年の一括払い。確かにそのほうがトータルの保険料は安く付くのだが、
建物2000万円で30万円~40万円の相場。
いろんな保険会社に見積を取る人も少なくは無いが、建物ばかりに気が行って、
「家財までの予算が無いので」と加入しない人のほうが多い。確かにプラス20万円前後は、
金額として大きいから、家を新築したばかりでこれから家財を買い揃える予定の人には、
負担であろう。テレビや冷蔵庫の予算になるのも良くわかる。
こんな風な風潮を作ったのは、保険会社や金融機関そしてわれわれ保険代理店に相違ないのだけれど、
例えば台風による洪水、例えば小火(ぼや)で水被害にあったときにどれ程の役に立つだろう?
地震でも建物よりも先にダメージを受けるのは家財だ。
先の東北大震災でも、家財に保険が付いてないと結局相当な自腹を覚悟しなくてはならない。
実際の火災や災害を想定して、保険の入り方をアドバイスせず。
35年一括払いの30万円~40万円(手数料は6万円~高いもので10万円)
を喜んでもらっているようでは、いつまでも「保険屋」と呼ばれる単なる売り子でしかない。
河本さんやお姉さん宅に万一のことがあったとき、
「これだけしか出ないの?」とがっかりさせる様では、「保険屋」の名折れである。
家を新築なさっているみなさんも、入居間際ではなく何ヶ月かの余裕をもって、
いろんなケースの災害を想定して、大切な我が家をしっかり守れる保険に加入してほしい。
あなたのご存知の保険代理店さんに相談すれば、きっと喜んで足を運んでくれる違いありません。