こんにちは。
退院して約1週間。
今回入院してひしひしと感じたのは私はがん患者なんだという事。
薬を服用するときに、看護婦さんが手袋をされるので何気なく聞いてみた。
すると、看護婦さんは自分の身を守る為と衛生上の為ですと答えられた。
抗がん剤は「毒」なので一般の人がさわると皮膚から吸収してしまうので・・と
点滴をするときは防護エプロンと手袋をされていた。
ああ・・
ガン患者にとっては「良薬」なのに、健常者にとっては「毒」なんだよね
皮肉だなぁ~
その「毒」を服用してガン患者は生きてるのに・・
わたしは、ガン患者なんだ!と・・・
ふと入院していた同室の方の事を思い出します。
その方は、60歳の女性。
私が入院したころは、まだ歩かれていて、お元気のようでした。
3年前に発症され、3年間で20キロ痩せてしまったらしいです。
体重が35kgくらいになったそうです。
再発し、4か月も治療を継続中だという事でした。
私が治療を始めた頃はジオトリフを服用されていました。
ジオトリフの前に点滴の抗がん剤をされていたようですが
その副作用で腰の痛みが強くなり、両肺に胸水が溜まっている事から
息苦しさやだるさ、痰のからみを訴えていらっしゃいました。
胸膜癒着術 をされているのですが、上手く胸膜と結合していないという事で
胸水が溜まってしまい、抜くことも難しいらしいのです。
食事も呑み込みが難しいという事で、常食の半分の量。
それでも、その半分を食べられるのが限界のようでした。
食器を下げる際、初めは自分で持って行かれていましたが
辛そうなので、私が下げていました。
そのうち、強い息苦しさを訴えられ酸素をつけるようになって
行動範囲はほとんどベッド上になってしまいました。
夜中、トイレに行かれた際に酸素のチューブがドアにひっかかり
頭をドアにぶつけられたことで、看護婦さんの見守りができる個室へ移されました。
でも、その方は個室が寂しすぎるという事で看護婦さんに条件付きで
1週間後、4人部屋のお部屋に戻ってきました。
話し声がするだけでも心が安心すると言われていました。
私もできるだけ話をするようにしました。
その方は、口内炎から風邪のような症状になり、大きい声がでなくなったらしく
小声で喋られるので仕切りのカーテンを開け、お話ししました。
ジオトリフの効果が得られないという事でオプジーボに変更されました。
オプジーボでの強い副作用はないようでしたが、
息苦しさやだるさは増していくようでした。
酸素の量も少しずつ増え、おしゃべりするのも辛い状況のようでした。
そんな時、私の退院の話が出て、その方にとても悪い気がして・・・
同じガン患者でも、治療が順調に上手くいき普通の生活に戻れる人
治療が上手くいかず何度も何度も薬を変え、治療を続けている人
そのうち、体力も気力も奪われていく・・
本当に今の自分の立場を有難く思うと同時に感謝を忘れてはいけないと思います。
同じガン患者でも立場が違うと天国と地獄
退院する日、その方に挨拶をした時
私が頑張って下さいと手を握ると
その方も力強く握り返してくれて涙を浮かべていらっしゃいました。
何もしてあげられなかった・・・
どうか、オプジーボが効きますように・・。と
願う事しかできませんでした。
どうされているのか・・
ごめんなさい
何もできなくて・・・。