私はゴルフが趣味ですが、グリーン上でカップに向かってボールをころがす「パッティング」ほど楽しいものはないと感じます。
ボールからカップまで傾斜は複雑ですし、ボールのスピードが落ちてからは傾斜の影響度がグッと高くなります。

ボールがカップまでころがる状況を、動画でイメージしながら、打ち出す方向や強さを考えます。一発で入れたい、でも入らなかったとき確実に2打でおさめるようにもしたい……脳内のイメージは雑念にもなれば、よい結果を生むエネルギーにもなるのです。
相場と似ていますね。

中源線という、シンプルかつ実用的な「売買ツール」は、使うために少し勉強が必要です。

「売買シグナルに従うだけでボロ儲け」なんて夢物語を想像させてくれるシロモノではありません。
でも、それが当たり前のことですし、自ら考えて使い方を工夫することが、ゴルフのパッティングと同じようなワクワク感を生んでくれます。

うねり取りで、中源線建玉法がどんな役割を担ってくれるのか──あらためて解説したいと思います。

  • 株価の変動をシンプルに捉え、柔軟性を維持しながら確固たる判断を行う
  • その判断通りに、きちんとポジションを動かしていく

これが、うねり取りです。
でも、自由な分だけ、実行のハードルも高いといえます。
そこで、練習ツールとして「中源線建玉法」が有効なのです。

終値を結んだシンプルな折れ線チャートを使い、ジグザグの動きをパターン分析して強弱(売りか買いか)を判断するルールは、経験の多寡(たか)にかかわらず「なるほど!」と納得できる内容です。

しかし、ピシピシ当たるわけではありません。
値動きの読みに固執することを避け、ゆらゆらと方向を変える株価への「対応」を軸に、「分割売買」までルール化されているのが中源線です。

わずか3回の分割ですが、十分に「技法」の要素を盛り込むことができ、なおかつ理解しやすく、感覚と一致した状態で利用できるルールなのです。

長く使うツールとしてもバランスよく出来上がっているのですが、うねり取りを練習する道具、「決めた通りに行動する」という最も大切なことを体験・体感するための具体的な理論として、とても価値があるものだと考えています。



上の図は、中源線の判断によって、買い→売り→買いとポジションを変化させていく過程です。

「その場では行動できないけど、あとから考えるとこうするべきだったね」という実践者の感性を、そのままシンプルなルールに落とし込んである部分が、納得しやすいのです。
継続して利用する投資家が多い理由だと思います。

強弱判断のルールがハッキリしているし、3分割で値動きの中を“泳ぐ”感覚があるからです。資金稼働率を抑えるルールもあるので、一時的な損を「トレードの経費」として受け入れる余裕も生まれます。

値動きについていく柔軟な対応、予測に固執せずにポジション操作を行うプロの思考が盛り込まれているのが、中源線建玉法です。