中源線であれ何であれ、手法(売買法)というのは、売買するための“ツール”です。
かるい表現を使えば、「単なる道具」です。

当たるかどうか、勝率は何%か……そんな視点はヤボなだけで、決して有益ではありません。

第一に大切なのは、そのツールを「深く理解する」ことです。
だから、ルール(売買ロジック)が未公開のものは、利用価値がないとは言いませんが、“ツールとして使いこなす”レベルへの到達は望めません。

私が中源線の説明に時間を割いている理由は、ここにあります。

  • まずは、中源線がどういったものかを理解してもらう
  • 次に、自分に「合うかどうか」を落ち着いて考えてもらう
  • 「やってみよう」と思ったら、ルールを覚えてもらう
  • 同時に、「ツールとして使う」発想をもってもらう

こうして、ゆとりをもって取り組めるよう、丁寧な説明を心がけています。

ものごとを順序よく学び、ジワジワッと“自分のもの”にしていくのは、ごく当たり前の流れでしょう。それなのに多くの個人投資家は、「すぐに儲けたい」「その通りやると儲かるのか?」と“打ち出の小槌”を求めます。

そんな姿勢では、インチキな教材にだまされる可能性が極端に高まる……こう心配してしまいます。

しかし、私のようにコツコツと説明する姿勢が一般受けしないのも事実。
いかにして耳を傾けてもらおうかと考える毎日ですが、「まずはこれ」と最も重要な基本を説明すると、「明日から儲かるんじゃないのか……」と、8割、9割の投資家は、その先の説明に興味をもってくれません。

予測なんて、当たったり外れたり・・・
こうして、“流れの変化”を見ながら対応していくのが現実です。
そのために、「確固たる予測」を立てておく必要があるのです。見通しを変化させるうえでの“大切な基準”です。

「売り」と考えていたところ、「いや買いだ!」と判断をひっくり返すことも日常茶飯事。

フラフラとさまようような姿勢はいただけませんが、見通しをサッと捨てて新しい流れについていく“瞬発力”が求められる場面もあります。

また、ツールの特性を知っておくことも不可欠です。
ツールとは、特定の手法、特定の強弱判断基準だけでなく、裁量による自分の行動指針も、広い意味でツールです。

中源線の場合だと、中源線のルールを知らずに「買い転換が当たった」とか「今回は曲がった」と評価して一喜一憂しても、経験としての蓄積はゼロ。それどころか、望ましくない姿勢が染みつくだけです。

トレードにおける、自分自身のあり方、ツールという存在の位置づけ、使いこなすための工夫、等々を、あらためて考えてみてください。

最後は、超シンプルに「売り」「買い」とか「買わない」と決断するのですが、その備えとしてガッツリと考える時間も大切です。