上記ブログのつづきです。

個人投資家はつい、いろいろなパターンの値動きを取ろうとしますが、独りで扱える範囲は意外と狭いものだと考えるべきです。
ムリをしない、妥協する……こんな言葉の力を借りてもいいでしょう。

極論すれば、100通りある方法から1つだけを選んで実行するのが、トレードの王道です。

必然的に、残りの99は、残念ながらバッサリ切り捨てるしかないのです。

往来する動きを逆張りで取るのが得意な人は、想定するボックス圏の値動きでコツコツと利益を積み重ねることができます。
でも、相場が大きく動き始めたときに急に手法を変更し、荒れ気味の値動きを取りにいくなんて、なかなかできるものではありません。

「動きが変わった」「自分の得意な相場ではなくなった」と捉えて、手を引くのが賢明です。


上がってきて「また天井を打つだろう」とカラ売りを仕掛けた、すると想像以上に強い値動き……。仕方がなく踏んで(カラ売りの損切り)、ポジションをゼロにして休みを取る──これが、自分の手法に徹するということです。

逆に、大きな変動を狙う人は、往来を見ながら「ここからブレイクするか」などと観察する結果、見送るときもあれば、仕掛けて損切り撤退することもあり、そんなことを繰り返して小さな損を重ねながら、「よし、乗れた!」というときに大きく値幅を取って取り返す(差し引きプラスにする)──こんな展開を想像することができます。

器用に振る舞い、複数の手法を同時進行させる人もいますが、誰もがマネできることではありません。
できるかもしれませんが、「自分は不器用だ」という前提で取り組みながら、たまにかるい背伸びを試みるくらいが、進歩の道を模索する正しい道です。

でっかい夢をもちながらも、行動スタイルは現実的かつ慎重にしておくのが、プロに倣(なら)った姿勢、個人投資家が大切にすべき、危なげない歩み方だと考えてください。

100通りある方法から1つだけを選ぶ」と述べました。
林投資研究所オリジナルの相場観測システム「中源線」は、どんな「1」を選んでいるか、なにを捨てているか、つまり、どんな動きを想定した手法なのでしょうか。

    「古来より難事とされている“手仕舞い”についても規定してある」

『新版 中源線建玉法』の「第二部 本文」には、上記のように書かれています。

手仕舞いについて規定されている、考えられている、これだけでドヤ顔を見せたくなるほど、一般的な投資情報には不備があるのです。
「ここで仕掛ける」と、エントリーだけに言及して終わっているものが、不備の典型です。

セットであるはずの「手仕舞い」がないのです。

現実で大切なことに触れずにワクワク感満載という構造が、最も売れる情報、つまり「商業的な価値が高い」のでしょうが、トレードを行ううえでは不完全です。それどころか、勘違いを生む“悪質情報”といっても過言ではありません。
けなす必要はないにしても、真に価値ある情報ではないと言いきれます。

海外旅行に出かける際、「チケットは片道」と言われたら驚きます。
登山の計画は、下山ルートまで含めたものに決まっています。
飛行機は、着陸の場所があるから離陸できるのです。


ものすごく当たり前のことなのに、世の中には、仕掛けにしか言及しない予測法、予測情報ばかり……ダメじゃないですか!

それに対して中源線は、「売買によって現金を殖やす」という、トレード、資産運用のジョーシキをまっすぐに見ています。
だから手仕舞いが規定されていて、見込み違いだったときの素早い対応まで積極的にルール化されているのです。結果として、実用的なのです。