株価チャートは、2次元です。
タテが価格、ヨコが時間(日柄)、この2つの要素だけで成立しています。


チャートのタテ方向にとらわれず、ヨコ方向の「日柄」を意識することで、「上げトレンド」「下げトレンド」をイメージする姿勢が生まれます。
この発想だけで、相場観測が相当にスッキリするはずです。

とはいえ、やはり株価の変動は常に予測不能、カンタンに儲かるわけがありません。
うねり取りは「上げも下げも取る」というのが入口の説明ですが、現実は、「上げ相場で取ったり取られたり」「下げ相場でも取ったり取られたり」と、ふつうにもがき苦しむのが当然です。

 

 

ただ、自分がやるべきことが明確ならば、しっかりと手法をもつ状態にあるので、“悩み”は尽きないものの、“迷い”をゼロに近づけることは可能です。

さてさて、言葉の上では実にスッキリしてきました。

ですが現実では、正しいと思う姿勢を継続することが実に困難なのです。

理由は、1回ごとの損益が、とてつもなく生々しい結果として感情を揺さぶるため、うねり取りを習得する地道な練習売買も意外とイバラの道。多くの人が挫折します。
そして、一発勝負の“穴狙い”など、情報をかき集めて迷いつづける道に戻ってしまいます。

解決策として、唯一の方法とは言いませんが、中源線建玉法を利用する手があります。
中源線では、日々の終値だけを結んだシンプルな折れ線チャートを用い、毎日の上げ下げのパターン分析によってトレンド判定を行います。
日柄観測の視点よりも、目先の上げ下げでトレンドの変化を検知しようとする予測法です。

 

 

しかし、単にトレンドを“当てにいく”のではありません。
予測は当たったり外れたり、現実の相場は取ったり取られたりだという正しい認識をベースにして「損益を上手にコントロールする」狙いで、3分割のポジション操作が規定されています。

機械的な判断基準によるため、トレンドを意識して株価変動を観察する人間には納得しにくいダマシも発生します。
逆に、裁量では乗れない動きに対して素早く反応するケースも多々あります。

どちらが優秀かを論じるのは非常に難しく、それぞれに一長一短があるとしかいえないのですが、自分の売買を自分でコントロールする姿勢を身につけるには、「明確な基準で確実に行動する」中源線の規定が、非常にありがたい存在なのです。

「切っておけばよかった……」
 こう後悔しながらしこり玉を抱えるとか、
「売ろうか、どうしようか……」
 と迷いに迷って他人の予想を気にし始めるとか……

こういったブレがトレーダーとして進む方向を誤らせます。
経験を積むほど実力が上がるという望みとは裏腹に、いちいち迷ってしまう悪いクセをつけることだけは避けたいのに、まんまとそうなってしまうのが人間の弱さです。

確固たる意思をもってポジションをつくり、見込みどおりでも見込み違いでも、次の一手をピシッと決めて行動する──そんな姿勢をもつのが理想のトレーダー像です。

中源線に限らず、機械的な判断は、絶対に人間には及びません。
でも、気分によるところもなければ、誰かのささやきに惑わされることもなく、淡々と同じ判断を示すのが強みです。ブレが生じないのです。

だから、中源線を使って実際にトレードすることは(もちろん、株数を抑えた練習売買からスタートです)、とにもかくにも、自分を“型にはめて”みる、ブレのない計画的なトレードを体感してみるという、価値ある経験をもたらします。

こう確信しているからこそ、林投資研究所では中源線の解説に力を入れているのです。