株価は毎日、上げたり下げたりと忙しく変動します。
予測不能、捉えどころがない、といわれるゆえんです。

しかし、ちまたの市況解説にみられる“後講釈”の視点から離れれば、異なるものが見えてきます。
それが「自律的な上げ下げ」であり、一定期間のトレンドです。

ポンッと上げたと思うと翌日にはガクンと下げる……それが株価の変動ですが、数カ月単位で「高値」「安値」をチェックしてみてください。
底をつけた翌日、あるいは数日以内に天井を打つことはありません。また、天井をつけた直後に底を打って再び上昇することもありません。

天体の動きのように正確な周期はありませんが、少なくとも、「ある程度の期間で天井から底、再び底から天井に向かって動く」と説明できます。

その上げ下げを「トレンド」として捉えると、買いポジションで利益が出る期間、売りポジションを持つことで儲かる期間に分けることができ、うまく波に乗ることで勝つチャンスがあると結論づけられます。

これが、うねり取りの基礎となる発想です。

一般的には「価格」、つまりチャートのタテ方向にばかり目が向いてしまいます。
自分の買い値、現在値、前日比……この3つだけを見て一喜一憂する姿勢は、多くの個人投資家に共通しているのではないでしょうか。

そんな感情まかせの思考から離れることが重要です。
「トレンドは一定の期間で形成される」と考え、ヨコ方向の「日柄」(時間)で考えたほうがスッキリします。

買っている場合に「いくらまで上がるの?」と考えても迷いが増幅するばかりですが、上げたり下げたりを繰り返すという発想で「あと何日くらい上げがつづくのか」と考えれば、未来を当てることはできない状態は変わらないものの、“迷いのないポジション操作”の突破口が見えてくるでしょう。

これが、「日柄」を意識した思考、適正な相場観測です。

誰にも頼らず、自分の戦略をもち、それを自分自身の手で実行する、つまり、世間を飛び交う予想情報に惑わされることなく、自分で自分をコントロールしながらトレードを継続していくのです。
おのずと、経験とともに自分自身の力量が上がっていきます。ゆっくりと、進歩していく自分の姿を認識できます。

このように、自立した状態で「確信ある自分流」を構築している状態を想像してください。
自分がどんな気分で株価を見ながら、周囲にいる、同じく意識の高い人たちとどんな会話をしているか、理想の姿に到達した状況をリアルにイメージしてください。
その想像によって生まれる“心地よさ”を、現実の中で実現させようと真剣に求めるべきです。

さて、「いくらまで上がるの?」ではなく「あと何日くらい上げがつづくのか」が適正な発想だと述べました。

うねり取りは、例えば大化けする銘柄を発掘しようといったアプローチではなく、できれば同じ価格帯にとどまりながら適度な上げ下げを繰り返す銘柄を対象にする手法だからです。

地味でもいいし話題にならなくてもいい──チャートのヨコ軸である「日柄」が一定、つまり“周期的な上げ下げ”をみせてくれる銘柄が理想だということです。