手法の優劣を語るのは難しいのですが、個人投資家にとって“やりやすい”とか“手がけやすい”といった観点で判断することは可能です。

最も制約が少なく、感情の面も含めて継続が容易なのは、数カ月単位の上げ下げに注目した「うねり取り」でしょう。

林投資研究所では、「うねり取り」の手法を数十年にわたって研究・情報提供しています。

そして「中源線建玉法」は、うねり取りを機械的判断で実行しようとする手法のひとつです。

さて、手法を分類する観点はいくつかありますが、最もわかりやすいのは「期間」でしょう。
トレードで想定する期間、どれくらいの期間の上げ下げを狙うか、カンタンに言うと「ポジションを持っている期間」です。

うねり取りは、数カ月単位の上げ下げを狙う手法です。
ウォーレン・バフェット氏(アメリカの著名投資家)のように、企業の成長性を軸に株を長期に保有するのではなく、かといって、デイトレードのような超短期でもありません。

うねり取りでは基本的に、売買する銘柄を“固定”します。
極端な場合は1銘柄、多くても5銘柄か10銘柄を対象にして、同時にポジションを持つ銘柄数も、例えば2銘柄、3銘柄と、十分に気配りできる範囲に限定します。

そして、上げも下げも両方狙います。
上げを買い戦略で取り、下げをカラ売りで取るために、銘柄数を少なくして緻密なポジション操作を試みます。

ただし、特別なファンダメンタル分析による売買手法ではなく、特に何も材料のない状況でも発生する“自律的な上げ下げ”にうまく乗ろうとする方法なので、多くの個人投資家が実践可能なのです。

平日は仕事をしていて、たまの休みや、ちょっとした空き時間にデイトレードをする人がいますが、私は、絶対にやめるべきだと考えます。

ザラ場にも適度な価格変動があり、なんだかカンタンに小遣い稼ぎができると感じるものですが、不特定多数の参加者と、非常に小さい利益のもとを取り合うのがデイトレードです。

プロの証券ディーラー、プロのデイトレーダー、さらには100分の1秒、1,000分の1秒単位でコンピュータが注文を出すHFT(超高速取引)とガチンコ勝負を強いられるのです。

個人投資家100人に1人はデイトレードで勝てるのかもしれませんが、実際の確率はもっと低いかもしれません。
よほどの条件がそろわない限り、ひたすら損を続けるだけ。
安易に手を出すべきではありません。