株式投資・トレードで、ほとんどの投資家が強く考えるのは「次にくる銘柄」でしょう。
そして、実際に手がけた銘柄について、「どこまで上がるか」「いつまで上昇するか」といった予測です。

一方で、「予測は当たらないもの」という前提で、やり方を考えていくアプローチがあります。“かたち”を整えることで、不測の損失を抑えようとする方法論です。

代表的なものを6つ挙げ、簡潔に解説します。


●銘柄分散

卵をひとつのカゴに盛るな──特定の銘柄に集中するよりも、多数の銘柄に分散したほうが、突然の大きな損失を避けることができます

でも、単に“薄める”だけでは、マーケットの競争で勝てません。また、「分散しているから安心」と油断して、手持ちが『計画性のない単なる株のコレクション』になることも懸念されます。


●期間分散

安値を買いたいと思うのは人情ですが、一点狙いで当てるのは難しいものです。
だから、時間的に幅をもたせて買っていくことで、余分なリスクを排除します。

わかりやすいのは、積み立てです。
例えば毎月1万円、金地金や株を購入します。価格は変動していますが、金額を1万円に固定して「1万円で買える分だけ」を毎月買っていくのです。「ドル・コスト平均法」と呼ばれ、へたに狙うよりも安く買うことが期待できます。

上場株を買う場合でも、期間の分散を実行できます。
「毎日の寄付で100株買う」とか、そんな機械的な買い方を「今月から来月にかけて」と大ざっぱに予測した期間で行いながら、安いところで少し厚く買う、といった方法です。


●資金管理

この「資金管理」が、実は最も重要です。
ただ、ほとんどの投資家が、最も興味を感じない項目です。

これが今回のメインディッシュ!
次のブログで詳しく解説します。



●ヘッジ玉(ツナギ)

手持ち株が下落すれば、含み益が減少します。
でも、持ち株はそのまま、一時的にカラ売りすれば、下げで得たカラ売りの利益分だけ手持ち株のコストを下げることが可能です。

ただ、こうした両建ては、意外と混乱します。
多用しないことです。

個人投資家は、持ち高をグッと減らすことができるので、あまり複雑なポジションは避けたほうが無難です。複雑な売り買いをすると、いわゆる“やってる感”ばかりが増幅して、肝心な部分に目が向かなくなるからです。


●サヤ取り

上げを狙って買う、下げを狙ってカラ売りする──これが「相場」です。
サヤ取りは、そういう意味では、相場ではありません。

相関関係のある(同じように動く)2つの銘柄の、価格差(サヤ)だけを考えてポジションを取ります。「サヤが小さすぎる」と判断したら、相対的に割安なほうを買い、相対的に割高なほうをカラ売りします。読みどおりにサヤが開けば、マーケット全体が大きく上昇していようが、逆に大きく下落していようが、利益を得ることができます。

一般には、マーケットが荒れるほど、手堅いサヤ取りで利益のチャンスが増えると考えることができます。

―つづく―