ゲーム」という言葉があります。
日本では、単なる遊び、ヒマつぶしの遊戯、といった意味合いで使われることも多いのですが、本来は「ルールがあり、他人と競って勝敗を決するもの」という意味です。

トレードは、売りと買いしかない単純なゲームだ──こんな表現がありますが、試合の場所も日時も決まっていません。
毎日同じように、継続的に取引されている市場を好きに選び、好きなタイミングで自由に参加します。終わりを宣言するのも、自分自身の判断です。

この特徴が、私たち投資家に無限の自由を与えてくれるのですが、難しさを生む要因でもあります。


下世話なものにたとえれば、閉店時間がないエンドレス営業の飲み屋、でしょうか。
終電の制約もなければ翌日の仕事の心配もない、しかも延々と飲みつづける体力がある……このような状況で“いつ帰るか”という難解な課題があるのです。

株式のトレードでは、多くの人に「買い偏重」と呼ばれる傾向があります。

上げでも下げでもいい、値動きに対してポジションを取って利益が出ればいいんだ──。
こう考えているのに、「株は買って持つもの」というイメージが強く、買いから入る方向に偏るのです。
カラ売りの概念がちょっとだけ難しいことに加えて、ふだんの消費行動と同じように「買って所有する」という感覚がわかりやすいからです。

もちろん、プロでも「買いが基本だ」と考える人はいます。

「株式会社は利潤を追求する組織だ。それに、目先の利潤だけでなく、高い成長性を目指している。だから、買いが基本なんだ」

買い戦略に重心を置く実践家は、このような論理で買い戦略の優位性を主張します。
しかし、それは、塩漬けを容認したり、なんとなく株を買って“コレクション”のように抱えることとはちがいます。


確固たる考え方をベースに「買うこと」を基本とするだけで、あいまいな取り組み方で“株を抱える”ことはありません。

「現金を殖やす目的で“株式を利用している”」

この考え方を忘れずに、自らの意思で売り手仕舞いを実行します。
買って持ちっぱなしにするのではなく、想定した期間内に現金化して“区切り”をつけます。

ダメなときは、早めに損切り手仕舞いします。
うまくいったら一定の“ねばり”で利を伸ばそうとしますが、必ずどこかのタイミングで売り手仕舞いを行います。

一般の人に見られるような、「買い偏重」による混乱はありません。

「区切り」がわるいトレードは、常にギクシャクしています。
ダラダラと続ける残業、司会の仕切りが悪いグダグダの会議、出かけたきり家に戻らない遊び人……すべて自分で決めるのですから、区切りよくスムーズな流れをつくりたいものです。

 

 

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