香港路は善隣門から中華街大通りに入って、二つ目の路地。通りの入口には海員閣の看板が掲げられているけど、香港路と呼ばれる前は「海員閣通り」という名称だった。その海員閣や牡丹園、安記、保昌といった古くからの店が並ぶ一方で、香港路の店は他の通りに比べて移り変わりが激しい印象。この前オープンしたと思っていた広州美食や烏龍麺の店はもうないし、おにぎりの店もいつの間にか大通りに移転している。かと思えば、最近は海南之家や四川陳麻婆、湖南人家、湘厨みたいな新しい店もオープンしている。

海員閣(広東料理)。本音を言えば、香港路はこの店の名物である豚バラご飯とシュウマイの一択でいいぐらい。ランチタイムともなると、狭い通りに物凄い行列ができていたほど。今は完全予約制でコースメニューしか提供していないので、ピンポイントで単品メニューは食べられない。1936年創業の中華街の中でも老舗。コロナ禍の際には、中国人を誹謗中傷する手紙が店に届いてニュースにもなった。
保昌(広東料理)。牛バラ肉カレーご飯があまりにも有名。有名すぎて、他の料理も美味いし、ランチも750円~と安いのに印象が薄い。
牡丹園(広東料理)。ここも結構な老舗で、店内は本牧辺りの古い中華屋を思わせるレトロな風情。最近は牛バラカレーライスを頼むことが多いけど、以前はうなぎチャーハンを好んで食べていた。正式な広東料理ではないのだろうけど。。ベイスターズの選手御用達の店でもある。 
四川陳麻婆(四川料理)。比較的新しい店で、陳麻婆豆腐のランチが750円とリーズナブル。町中華とかの一般的な麻婆豆腐はそもそも日本の料理で、陳麻婆豆腐こそが本場・中国の麻婆豆腐。後者のほうが死ぬほど辛いけど、この店の陳麻婆豆腐は辛さのレベルを1から3まで選べる。辛さ1でも結構辛かった。
上海飯店(上海料理)。店はボロくて汚いし、今の店主に代替わりしてから不味いとかよく言われるんだけど、言うほど不味くはないし、何よりも安い。今は知らないけど、以前は上海焼きそばがたったの480円だった。 
湘厨(湖南料理)。湖南料理は8大中華料理の一つで、辛くて酸っぱいのが特徴。中華街ではちょっとマニアックな料理。この砂肝の土鍋ご飯、煲仔飯は広東料理ではあるのだけど、湖南寄りにアレンジされていて相当辛い。
海南之家(シンガポール料理)。6月にオープンしたばかりのシンガポール&中華料理の店。まずは典型的なシンガポール料理の海南チキンライスを試したい。
京華楼(四川料理)。中華街大通りなどにも店舗がある人気店。四川料理の店だけど、四色魚丁のような辛くないメニューもある。白身魚と山芋などの野菜を薄塩味で炒めている。