いらっしゃいませ。そしてお帰りなさいませ。
庄内多季物語工房へ、ようこそおいで下さいました。
さて、今宵は、物語収穫人である私、佐藤美月による、人生の使命の見付け方を、ご紹介してみたいと思います。
今回取り上げるテーマは、役割には終わりがあることを知り、魂の望みに沿った生き方をすることの大切さについてです。
私が最近感じていることは、結局は、私達は、自分以外の何者にもなれないということです。
そこはかなり重要なポイントだと思うのですが、早いうちから、そこを意識出来る人は、かなり稀だと思います。
何故ならば、私達は子供の頃から、将来大人になり、経済を回すために働く前提で、行く行くは何になりたいのかを、考えるようになるからです。
小学生くらいの頃であれば、スポーツ選手やアイドル歌手などに憧れることもあるでしょう。
そうでなければ、エンジニアやパティシエなど、世の中に既に存在する職業のどれかに就こうと思う筈です。
けれども、そういった職業に就くことを考える前に、本来の自分自身になろうと考える人は、殆どいない筈です。
何故ならば、本来の自分自身という職業は、存在しないからです。
そのために、多くの人達がそこをすっ飛ばして、何らかの役割に、自分自身を当て嵌めていくようになります。
大概は、学生時代を終えれば社会人になり、やがて結婚して夫や妻になり、父親や母親になり、会社で昇進して、課長やチーフマネージャーになることもあるでしょう。
そうすると、その役割を果たすことが、自分自身の存在意義となっていきます。
そうしていつの間にか、本来の自分自身が、その影に隠れてしまうようになるんですね。
何故ならば、その役割を果たすことで、充実感や幸福感を得られているのなら、わざわざ本来の自分自身になる必要性を、感じなくなるからです。
ところが、役割には、いつか終わりが訪れます。
例えば、夫と妻であっても、離婚したらその役割は解消されますし、父親と母親であっても、子供が独立したら、その役割は必要なくなりますし、課長やチーフマネージャーであっても、会社を退職したら、その役割からは外れていきます。
問題は、その役割が終わった時に、本来の自分自身を取り戻していない場合、終わった筈の役割に、しがみつこうとすることです。
恐らく最も多いのが、立派な父親と母親であろうとするばかりに、子供の自立を妨げようとすることではないでしょうか。
子供が完全に自立してしまったら、父親と母親の役割を、果たせなくなってしまいますからね。
しかし、終わった筈の役割は、潔く手放して、本来の自分自身として生きていかなければ、父親と母親の人生だけではなく、子供の人生までおかしくなってしまいます。
役割は、一時的なものに過ぎませんが、本来の自分自身として生きていくことは、魂の望みでもあるので、そちらは未来永劫続きます。
最も望ましいのは、本来の自分自身を取り戻した上で、幾つかの役割も、同時進行でこなしていくことだと思います。
人生の使命が分からないという状態に陥っている人の場合、幾つかの役割を立派にこなすことに、一生懸命だったことが考えられます。
夫として妻として、父親として母親として、会社の役職としてなど、その役割を通してなら、何をやりたいのかが分かるのですが、いざ役割から外れた本来の自分自身として、何がやりたいのかを考えると、分からなくなるのでしょう。
けれども、人生の使命というのは、本来の自分自身と一体化した時に、初めて見えてくるものです。
残念ながら、役割をこなすだけでは、人生の使命が見えてくることはありません。
もしもあなたに、そういった傾向があるのだとしたら、今の役割から遠く離れたところで、何をやりたいのかを、魂に問うてみることをお勧め致します。
その時に想い出して欲しいのは、特に役割に縛られることのなかった、子供の頃の無邪気で自由な感覚です。
その感覚こそが、本来の自分自身と一体化していた時の感覚なのです。
ぜひ、その原初的な感覚を蘇らせて、魂の望みでもある人生の使命を、生きていきましょう
あなたと同じ時代を生き、あなたと出逢えたことに、心から感謝しております。
今宵も最後までお付き合い下さいまして、誠にありがとうございました。
またのご来訪を、心よりお待ち致しております
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佐藤美月は、小説家・エッセイスト・ライター・コラムニストとして、活動しております。
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