いらっしゃいませ。
本棚迷宮へ、ようこそおいで下さいました。
ああ、ブログを間違えてはいませんよ。
この空間は、庄内多季物語工房の中にある一角です。
ただ、今宵は、金と銀に分かたれた双子の月が輝いていますので、時空に歪(ひず)みが発生しているのです。
どうやらあなたは、その歪みに迷い込んでしまわれたようですね。
それでは、せっかくですので、今暫く、お付き合い願えますでしょうか。
どのみち、銀の月が金の月に重なり合うまでは、この迷宮から出られないようになっていますので。
ああ、申し遅れました。
私は、本棚迷宮の管理人、桜葉影人(えいと)と申します。
以後、お見知り置きを。
さて、あなたには、折に触れて、何度も読み返すような、お気に入りの物語がありますでしょうか?
既にそんな物語に出逢っているのなら、それは非常に幸運で、幸福なことです。
それだけで、人生の豊かさを繰り返し味わえることが、確定しているようなものだからです。
しかし、その一方で、何度も読み返して、筋が分かり切っている物語には、新鮮味を感じられなくなることもあるでしょう。
そんな時に欲するのは、まだ一度も読んだことのない、新しい物語の筈です。
そして、新しい物語に関しては、どんなふうに展開していくかが未知数なので、胸が踊るような喜びの感情を覚えることでしょう。
あなたの人生も、それと同じことで、これまでに何度も経験したことに関しては、安心感を感じる一方で、胸が踊るような喜びの感情は、感じにくくなるでしょう。
もしもあなたが、冒険に出掛ける時のように、わくわくどきどきするような感情を欲しているのであれば、それは新しい体験の中にのみ宿っていることを、想い出す必要があります。
その証拠に、あなたが子供の頃は、初めての体験の連続だらけで、いつもわくわくどきどきしながら、過ごしていたのではないでしょうか。
ところが大人になり、既知の体験が多くなるにつれ、胸が踊るような喜びの感情を感じることは、次第に少なくなっていきます。
それは子供の頃よりも、遥かに賢くなった証ではありますが、それと同時に、あなた自身が大きく成長するためには、新しい体験が必要なのではないかと、薄々感じ始める頃でもあるでしょう。
そういった意味では、心も身体も成長期にある子供の頃に、初めての体験を通して、すくすくと成長していくということは、非常に理に適(かな)っていることが分かります。
子供にとって、初めての体験というのは、大きく成長するための起爆剤と言えるからでしょう。
けれどもその一方で、あなたの魂の旅路のことを考えますと、恐らく何万回も生まれ変わりを経験されている筈なのです。
それならば、魂にとっては、殆どのことが体験済みなのではないかと思われても、不思議はないでしょう。
確かに、前世の記憶を持ったまま生まれ変われば、初めての体験というのは、少なくなるでしょう。
ところが、生まれ変わりのシステムという物は、上手く出来ておりまして、たとえ星の数ほど生まれ変わっていたとしても、その時に体験したことは、綺麗さっぱり忘れてから、生まれ変わるようになっているのです。
だからこそ、あなたとして生まれた人生の中で起こる出来事を、その都度初めて体験することになるのです。
そうして、あなたの魂にとっては、その初めての体験こそが新たな糧となり、更に成長していくことが出来るようになっているのです。
そんな初めての体験を通して、成長を積み重ねていくことが、取りも直さず、あなたの名前が冠された物語となっていきます。
それでも、あなたの人生の中では、既に何度も体験した出来事も、増えてきている頃ではないでしょうか。
あなたの名前が冠された物語は、同じような体験を繰り返して、退屈さを感じる一方で、安心感を得るような物語でしょうか?
それとも、新しい体験を数多く積み重ねて、試行錯誤しながらも、映画の主人公さながらに、大きく成長していくような物語でしょうか?
どちらの物語の方が、得ることが大きく、魅力的だと感じるでしょうか?
あなたの名前が冠された物語の筋をより面白くしていけるのは、これからどのくらい、新しい体験を積み重ねられるかに、掛かっているのです。
僭越ながら、当ブログに収められている数々の物語の世界に関しても、あなたの人生をより豊かにするための新しい体験として取り入れて頂けたら、著者共々、幸甚に存じます。
…‥そろそろ、銀の月が金の月に、重なり合う刻限がやって参りました。
そうなったら、時空の歪みは正され、あなたはこの迷宮から抜け出ることが可能になります。
勿論、このままこの異空間に留まることも、普段通りの日常生活に戻っていくことも、どちらでも選べます。
ただ、どちらを選ぶにしろ、あなたの世界観は、本棚迷宮に迷い込んでいらした時と比べると、微妙に違うものになっている筈です。
ですから、どちらを選んだところで、本来は、さほど変わりはないのです。
…‥今、銀の月が金の月に、完全に重なり合いました。
あなたにお逢い出来ました喜びを胸に秘めつつ、本棚迷宮の管理人である私は、お暇(いとま)しなければなりません。
それでは、今宵も最後までお付き合い下さいまして、誠にありがとうございました。
また機会がありましたら、お逢い致しましょう。
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佐藤美月は、小説家・エッセイスト・ライター・コラムニストとして、活動しております。
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