ひねもす時雨月。 -85ページ目

深海へ

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景色が急に、ぐにゃりと歪んで柔らかくなって、


まるでどこまでも沈んでいくみたいだ

不確かな足下

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踏みしめる足下が、


あまりにも不確かで

いつか沈んでしまいそうだから



一歩ずつ、
慎重に 慎重に、


大丈夫だと言い聞かせながら

それでも僕達は進まなきゃ


踏み出すことをしなければ、

僕らは何も変えられやしないんだ


明日が明日でなくなって、


きっとそれは、

単に今日とは違う今日をリプレイするだけになってしまうんだ

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あのひとの残した音に耳を研ぎ澄まして


あのひとのくれたキャンドルの揺めきを見詰めて


あのひとからの鍵に郷愁と決意を覚えた


今は遠く、手の届かないところ

皆、別の位置にいて、
もしかしたら近付くことは難しいのかもしれないとも思う程に


それでも、

それでも僕は、深みから抜け出して

いつか必ず

必ず



だから、ただ、

そこに居て欲しい