2021年オータムクラシック:三浦&木原ペア優勝!!! | 覚え書きあれこれ

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記憶力が低下する今日この頃、覚え書きみたいなものを綴っておかないと...

 

 

わーい、わーい、りくりゅう優勝。

 

 

というブログを早く書きたかったのですが、大会は20時半まで続いていたのですっかり遅くなりました。

 

女子のフリー後、表彰式が開催され、インタビューも全て終わって、後片付けをちょこっとして、連盟提供のUBERに乗って運転手さんと喋って、ようやくホテルに戻ったら21時過ぎ。

 

試合が始まる12時ごろからリンク際にずっと立っていたので、久しぶりの酷使に足がストライキを起こしそうになっています。

 

が、そんな苦行もなんのその、皆様すでにご存じのとおり、

 

三浦&木原ペアが見事な、本当に見事な優勝を遂げてくれました!

 

いずれまた、このオータムクラシックの他の競技についても触れるつもりではありますが、まずはペア競技のレポートをいたします。

 

 

今朝はペアの練習の時間から会場に出向きました。

 

昨日は少し固い動きをしていたジェームス&ラドフォード達もジャンプが決まったりして行く内にだんだん、リラックスして良い感じに仕上がって行っていました。

 

一方、三浦&木原ペアは落ち着いて練習時間を使い、ランスルーも要所要所を抑えていきます。見ていてこちらも全く不安を感じないで済む様な雰囲気を彼らは醸し出しているのですよね。練習に裏付けられた自信が漲っているからでしょう。

 

最後にリンクから上がる直前に二人でサイドバイサイドのジャンプをしっかり決め、良いイメージを残しながら練習を終えて行きました。

 

そして5時間後に迎えた本番。

 

6分間練習も安定していました。最終滑走はリンク裏に引き上げてから出番までの時間の使い方が難しいですが、そこはワールドやオリンピックの場数も踏んでいるブルーノ・コーチが付いているので安心です。彼は選手のムードを読むのがとても上手く、それぞれにかける言葉を選んで精神面を管理するスキルに長けています。

 

第2グループの最初はカナダのディアナ・ステラート&マクシーム・デシャン組です。ステラート選手は以前シングル選手としてアメリカ代表になったこともある大ベテラン。引退してから15年を経てペアに転向し、しかも今ではカナダ代表で試合に出場しているという、異例の経歴の持ち主です。

 

 

(左側がステラート&デュシャン組です)

 

 

 

今日のフリーではまずデュシャン選手の方が、そして次は珍しくステラート選手までもがジャンプで失敗しましたが、最後まで滑り切って4位に入りました(FSは3位)。

 

アメリカ代表のアシュリー・ケイン・グリブル&ティモシー・ルデュク組は二人ともがグレーから黒へのグラデーションのボディスーツで登場。なかなか斬新です。アシュリーが長身であるため、リフトのポジションに独特なものがあります。昨日から色々と横で解説してくれるバーバラさんいわく、男性の腕の長さと女性の足の長さの組み合わせで出来るリフト、出来ないリフトが決まって来るそうです。

 

その様なことをあんまり考えたことがなかったので勉強になります。というか、私ってあんまりこれまでペアのテクニカルな面に関して深く注意してこなったかので、エレメンツの名前をよく分かってなかったりするんですよね。ちょっと反省して学習したいと思います。

 

朝の練習では難なく決まっていたジャンプが乱れ、アシュリーがどんどん失速して行くのが後半から目立ってきました。演技が終わると、とても具合が悪そうで、メディカル・チームが酸素ボンベを持って駆け寄って行きます。

 

アシュリーが酸素吸入を受けている間、ティモシーだけがキスクラに向かい、スコアを聞いていました。

 

そう言えば8月の初旬にアメリカ選手でCovid-19に感染した人がいたなあ、と思い出し、確認するとやはり彼女でした。ウイルス感染からは回復しても肺機能にかなり障害が残るのは本当なのだ、と思ったことでした。(ちなみにアシュリーは感染時、ワクチン接種を受けていた、とのことです)

 

しばらくすると呼吸も整ったようで、更衣室に引き上げていきました。この時点で暫定首位。メダルは確定です。

 

さあヴァネッサ・ジェームス&エリック・ラドフォード組の登場です。ヴァネッサはいつみても本当にゴージャス。何を着ても似合います。エリックはこめかみの銀髪が貫録を醸し出しています。背が高く、細身で、まさに「statuesque(彫刻の様)な)」二人です。

 

ところが冒頭のツイストが決まった後、ヴァネッサのジャンプが乱れます。その後もパンクがあったり、スロージャンプで転倒があったり、どうも最後までプログラムに流れが生まれないまま、終わってしまいました。

 

このチームは結成時、皆様もご存知の通り(エリックの元パートナーのメーガン・デュハメルが怒ったりして)けっこう騒ぎになったので、当然、注目度が高い。そしてカナダ連盟もかなり期待しています。その分、緊張も高まるのでしょうが、自分達が思ったほどオリンピック代表枠への道は容易くないと感じているのかも知れません。

 

得点は伸び悩んだものの、暫定首位だったので最低でも銀メダルは獲れることになります。

 

ヴァネラド(もうこう呼んでおきましょう)の点数が出た時点で私はほぼほぼ、リクリュウの優勝は確信していたのですが、それでも良い演技で金メダルを勝ち取ってほしいではありませんか。

 

「WOMAN」の曲が流れ始め、一気にリクリュウ・ワールドが展開されます。いつも感心するのは木原選手がベテランらしい包容力を備えているのは分かるとして、三浦選手はその若さにも関わらずとっても豊かな表現力を見せてくれることです。自分でも「演技において表現に重きを置いている」と言っているとおり、曲に入り込み、プログラムの間中その姿勢を崩さない。

 

ツイストも綺麗、サイド・バイ・サイドの連続ジャンプも決まり、リフトから最初の見せ場のスロー・トリプルルッツ!

 

このエレメントは朝の練習で決まった時、バーバラさんが「もうこれはGOE+5でしょ!」と唸っていたほどの精度の高さ。本番でも高評価を得ていました。

 

サイド・バイ・サイドのサルコウは残念ながら三浦選手がダブルにしてしまいましたが、私は見ていて全然、余裕。

 

後半の見せ場はスロー・トリプルループからのフォワード・インサイド(デス・スパイラル)、そしてダメ押しの膝つきリフト。男性側の疲労が頂点に達する部分ですね。

 

そこからドドーンとエンディングへとつながっていくわけですが、ちょっと音楽が終わるのに合わせるのに苦労して、最後のポーズが取れませんでした。

 

終わってから二人とも「あれ?」みたいな表情で苦笑していましたが、とにかく大きなミスはなし。スピードも凄まじいほど出ていて、途中のリフトもスピンも含めて最初から最後まで流れが途切れることなく、アッという間にプログラムが過ぎていくのがリクリュウ演技の醍醐味です。

 

ちなみにインタビューのコメントでは、三浦選手いわく後半のスロー・ループを着氷した後、木原選手が自分の方をめがけて追いかけて来る場面が「お、必死に頑張ってる!」と思えて来るので、気に入っているそうです。

 

一方、木原選手は同じ場面でも(しんどいので)「全然、楽しくないです」と言ってましたが、プログラムのハイライトである点については同感だそうです。

 

でもこの二人のコメントを聞いておくと動画を見なおした時の楽しみが増えます!

 

大会の話に戻りますが、表彰式は演技終了後、間もなく行われました。

 

なにしろ今大会では色んな事が「パンデミック明けの寝ぼけ状態」っぽく進行して行ったので私もアマンダも表彰式が実際どういう風になるのか知らされていませんでした。

 

選手たちにはリンクへの入り口付近にたむろしてもらい、えらく簡易な表彰台が設置されて行きます。大々的なメダル授与も花束贈呈もなく、これだと本当に君が代が流れるのかどうかも不安になって来ます。

 

 

 

 

大体、旗もないじゃん。

 

でもすみません、本当にスタッフがギリギリまで切り詰められているので大会資材部は一人何役もこなしていたのです。

 

二つ前の記事でご紹介したワシ持参のアメリカチーム団長はもちろん、準備良く自分のところの選手に背負わせる星条旗を余分に持って来ていました(そもそもアメリカ以外、外国のチームリーダーって来ていないですし)。

 

でもそう考えると、オータムでは表彰式後に選手が旗をかついで周回することってあんまり無いんですよね。2018年は少なくともなかったですし、2017年もありませんでした。

 

2019年はキーガン・メッシング選手が羽生選手を誘ってフラッグ・ポールを持って周回をしたことがありましたが…

 

 

まあとにかく、無事に初戦が終わり、しかも最高の成績でシーズンをスタートさせることが出来た三浦璃来選手と木原龍一選手、おめでとうございました!そしてお疲れさまでした!

 

次はいよいよGPスケートアメリカだぞー!

 

 

さて、明日も試合があるので、そろそろ寝ます。

 

ではでは