いやー、長い道のりでした。
3月半ばにストックホルム・ワールドに出場するため、練習拠点のオークビルを離れてからほぼ半年ぶりに三浦璃来&木原龍一ペアが戻って来ました。
インスタグラムで二人をフォローしている方ならすでにご存知だったでしょうが、いやほんと、9月7日(火)の午後、無事にカナダの国境を越えたと連絡をもらった時は脱力しました。
このコロナ騒ぎのご時世では、国際移動があまりにもめんどくさい。
出発前の検査もさることながら、搭乗時のチェック、到着後の審査、などなど幾つもの関門が立ちはだかっていて、目的地で実際荷物を受け取ってから空港を離れるまで、全く生きた心地がしません。
検査はちゃんと陰性と判定されるのか、飛行機に乗せてもらえるのか、入国を拒否されないだろうのか、隔離を言い渡されたらどうしよう、とその度にドキドキハラハラする目に遭うのですよ。
「おっしゃあー、弾丸旅程で(平昌、日本、カナダ)に応援観戦に行くぞー!!」
などと大陸や大洋を自由自在に横断していた時代とは訳が違います。
まあ、何はともあれ、ようやくコーチのブルーノ・マルコットさんの元に戻り、リンクメイトのカーステン・ムアータワーズ&マイケル・マリナロ組とも涙の再会を果たし、元気に練習に励んでいる様です。
さあ、これから数日間、トレーニングを経て、来週にはシーズン初戦が待っています。
今年のオータム・クラシックはペア競技がチャレンジャー・シリーズの扱いではなかったのですが、どうやらうまく、格上げされたそうです。ということで、この試合での成績にちゃんと “ISU World Standings Single & Pair Skating/Ice Dance” のポイントがつく、ということですね。
良かった良かった。
その一方で男子のエントリーはえらく寂しくなってしまいました。こちらは人数が足りずにチャレンジャー・シリーズとしての規定に達さないので、カナダの男子選手だけが5人ほど参加する様です。
それでもナム君やコンラッド・オーゼル選手たちの姿が見られるのであれば嬉しいです。
ところで私自身、本当に久しぶりのことなので、大会のお手伝いに行く用意がちゃんと出来るかすごく不安。
有難いことに、イタリアのNympheaさんにも
「準備万端だったりするんですか?」
と、数日前にご心配頂きました。
でもよく聞くと、彼女の最大の関心は
「例のブツは持って行くのか」
という点だったようです。
皆様、憶えていらっしゃるでしょうか。
2020年の幻のモントリオール・ワールドに備えて私が大量に買い込んでいた…
軍手
のことを。
何をとち狂ったか、20組も仕入れて、いったい現場でどんな作業をしようとしてたんでしょうか。
羽生選手の演技後、ミックスゾーンに詰めかけたであろうジャーナリスト達を軍手で押しとどめて「はい、皆さん、もうちょっと下がって、下がって。そんなに近づかないで」とでも言うつもりだったのでしょうか。
記者会見場で羽生選手が座るはずの椅子を、触れるはずのマイクを、軍手をはめて。アルコール綿で消毒しまくるつもりだったのでしょうか。
ああ、思い出すのも切ない。
でもあれから1年半が過ぎ、ようやく再び大会が開催されようとしているのです。しっかりと気を取り直して、態勢を整えていきます。
ちなみに軍手はその後、庭仕事などで使いまくって、新品は
一組
だけとなっています。(持ってくぞ)