物事はポジティブな方から、というのが良い順序のようです。
パンデミックがまだ終焉を迎えそうにない中でも、我が家には愛犬レニーの12才のお誕生日が訪れ、
(12歳でこの美貌。まだまだ行けまっせ)
サンクスギビングのディナーも無事に、夫や息子たちと過ごすことが出来ました。
(定番のメニューですが、ターキー・ディナーはまあ、儀式なので)
今年の紅葉は本当に素晴らしい見栄えで、散歩のたびに溜息が出そうになります。
こちらは一昨日(14日)の光景:
そしてこちらが本日(16日)の画像です。
両日とも、夫のちょっと大き目のカメラで撮ったので、スマホの写真よりも色が自然に出ていると思います。
ご覧の通り、ほとんどだーれも歩いていない道路を、毎日レニーと一緒にあるいて穏やかに過ごしています。
ということで、感謝することはたっくさん、あるんですね。
しかし、頂いたコメントへのお返事にも述べましたが、かえすがえすもGPカナダ大会の中止は残念でした。
どんな逆境にも言えることですが、「一撃目」は痛くても何とか持ちこたえられる、でも、ちょっとしてからまた二発目を食らうと、ダメージが大きくて立ち直りが鈍くなります。
GPスケカナ中止に関しては、前記事でも載せた動画の中でローマン・サドフスキー選手が目にしたコメントに答える形で持論を展開していました。
かなり端折っての意訳ですが、大体のニュアンスとしては:
「どっか別の会場に移せば良いんじゃないの?」
(感染者の多い地域から少ない地域に移動するのは公衆衛生上、アウトだから、不可能なんだと思う。)
「この際、バーチャルで動画をそれぞれ撮って、提出して、ジャッジがリモートで採点したらどうよ」
(一応、グランプリ大会なのでISUの制限がかかるから、バーチャルでの開催は無理だったんじゃないか。しかもバーチャル形式の試合って個人的には、ものすごくロジスティクスの面で難しいと思う。)
などと、しっかり意見を述べてくれています。
確かにグランプリシリーズという大きな大会の場合、たとえそれが今年は変則的であったとしても、カナダ連盟が責任をもって開催するとなるといい加減な形では出来なかったのだと思います。
その他にも
「他の国(ロシア、ドイツ、東ヨーロッパ、日本)ではどんどんスケートの大会をやってるのに、どうしてカナダでは出来ないの?」
など、ふと頭に浮かぶ疑問はあります。
しかし、同じウイルスと戦っていても、各国で状況は違うし、医療体制や人口密度、文化的、経済的、社会的な要因が複雑に絡み合って容易に比較が出来ないのが今回のパンデミックで分って来ていることです。
残念ながら、カナダではこれから寒い季節に突入して行くにあたって、カナダ連盟が首都で大会を開催したがために感染拡大を促したと見られることは決して許されない状況です。
そしてもちろん、選手やコーチやスタッフの健康を考慮し、そして会場となるオタワ市の住民の健康をおもんばかり、断腸の思いで中止を決定したのです。
ちなみにどこかの誰かさんが「カナダはNHL(プロアイスホッケー・リーグ)のプレイオフを主催したのに、どうしてGPスケカナが出来ないの?」とか、とぼけたことを言ったそうですが、
夏と秋の開催時期では感染状況や規制が違う
アマチュアとプロでは(金銭的・人的)資源が違う
ってことくらい、ちょっと考えたら分かるだろ、と。
NHLのプレイオフはものすごいお金と労力をかけて、参加チームを地域別に東(トロント)・西(エドモントン)に分けて、選手や関係者たちをホテルに隔離する形で行われました。観客はなし、メディアもなし。出入りする人を徹底的に管理して、毎日全員への検査を施して、それはそれは厳重に運営されたイベントでした。
かかった費用は当然、莫大。テレビ放映権料でいささか賄えたのは事実ですが、リーグは採算を度外視して、とにかく必死で3月に中断してしまった2019‐2020年のシーズンを締めくくろう、とこのプレイオフを企画・開催したのです。
ファンは喜んだけれど、リーグの財政は大きな打撃を食らった。そして来シーズンは一体どうやって行うのか思案中。あまりにも高くついたので、こういった「バブル形式」はおそらく念頭には入れられていないだろうと思います。
NHLやNBAのような、とんでもないお金持ちのプロリーグを、一国のフィギュアスケート連盟と比べるのがそもそも間違っていますが、さらに言えばカナダ連盟は去る三月のモントリオール・ワールドの中止によって甚大な金銭的被害を負っているわけですから、「カツカツ」の状態で今回のGPカナダ大会の運営に臨んでいたと思われます。
それなりに必死で企画して、スタッフをギリギリまで切り詰めて、人数制限に沿うように工夫していたところに、さらなる規制が課され、開催が不可能になってしまったのです。
このブログを読んでくださっている皆様も、それぞれの分野でお仕事や活動されているご経験に当てはめて考えて下されば、じゅうぶん、理解して頂けると思います。
「実際、やるとなると、言うほど(思われるほど)簡単やないんねんてば」
ということなんですよね。
だから今はただただ、出場を楽しみにしていた若い選手たちの気持ちに寄り添っておきたいと思います。
ワールドの時と同じく、公衆衛生のための中止であることは彼・彼女たちも分かっているのです。自分たちも罹りたくないし、他の人たちが罹るのも避けたい。
ただ、アスリートとしての気持ちは(ローマン君も言ってましたが):
もしかするとダメかも知れない、でも希望を捨てたくもない。
もしかすると中止になるかも知れない、でもギリギリで開催されるかも知れない。
そう思いながら、6月のリンク再開から、夏の間、一生懸命新しいプログラムの振り付けに励んで、不自由な環境で練習を重ねてきた選手たち。
私の大好きなローマン君やナム君、アイスダンスのパイパーちゃん&ポール君たちや
宮原選手、三浦&木原ペアの様に、日本に帰らずにずっとカナダで頑張って来たスケーター達もいます。
今は何もしてあげられることがありませんが、彼・彼女たちのレジリエンスに期待して、せめてこれからも応援して行こうと思っています。
しゃあないから、次はハロウィーン用のカボチャ彫刻にでも励もうかしら。。。