四大陸の女子FSをフォローしながら、ジャッキー・ウオンさんのポッドキャスト「Ice Talk」を聴きました。
四大陸プレビューの途中で、トレイシー・ウィルソンのインタビューが入り、とても興味深い内容だったのでシェアしますね。
(なお、かいつまんで、全てを逐一訳しているのではないのでほんのご参考までに)
この大会の一週間ほど前に収録されたものらしく、前半はUSナショナルズを終えたばかりのジェイソン・ブラウン選手についてのトークが続きます。
その後、30分辺りのところからハビエル・フェルナンデス(元)選手のユーロ優勝について話が移ります。感想を聞かれ、トレイシーが感慨深そうに、ハビエルとは本当に長い、何年もの道のりだった、と切り出します。
ハビエルは新年早々、練習するために(クリケット・クラブに)戻って来たんだけど、夏にスペイン(のサマーキャンプ)では会っていたものの、クリケットで彼の姿を見るのはオリンピック以来だったんじゃないかと思うの。
He walked in, and he started to skate, and I literally had to walk away because my eyes were filling up.
で、(クラブに)入って来て、それで滑り始めたんだけど、もうまさにその途端、私はその場を離れざるを得なかった。目がバーッと潤んじゃって。
He's such an incredible presence.
彼の存在感ったら、本当にすごいものなのよ。
それまでジェイソンの話をしていた流れから、二人を比べるトレイシー。二人とも本当に心の優しい、純粋な人たちであり、そしてスケーティングもピュアで、内面の素晴らしさが表れている。彼らがいるだけで周りの者もそれにつられて良い人間になる、そんな力を持っていると言います。
しかしユーロに挑むと言って戻って来るハビエルを迎えるにあたって、トレイシーとブライアンに不安がなかったわけではありません。
面白いのはね、ハビエルが帰って来る前にブライアンと私とで話し合ったの。お互い、"I don't know how he's going to do it"(知らないわよ、どーするつもりなの、ハビ?)って。それで、本当に彼が真剣にやるつもりなら、私らも腹を割って話し合うべきだって思った。そして彼に言うべきだと。
You know what, Javi? Don't. Don't do it
あのね、ハビ、よしときなさい。そんなの、よしときなさい
って。
だって、3週間なんて全然、短すぎるんだもん。
そりゃあ、ショーとかには出てたからスケートをするための身体づくりは出来てたけど、でも(プログラムの中に)色んなものを入れて行かなくっちゃいけないでしょう。
というわけで、ブライアンと私はそういう心構えをしていたのね。まあ、最初の一日や二日は猶予を与えて、それから話をしよう、と。でもね、彼が帰って来た最初の日、滑っているのを見て、二人でまた顔を見合わせたの。
Wow, he's going to do it.
うわあ、彼、やるね、これは。
って。
You could see his intent.
彼の強い意志が伝わって来たの。
これはもう、彼がすごく高い(別の次元の)ところを目指しているんだってわかった。自分を超えた何か、を。
見てくれている人たちに対して
友達や家族たちに対して
(現役としての自分が)別れを告げる
(フィギュアスケートという)競技に貢献して
その競技に対しても、最高の自分のまま、別れを告げる
それを彼が目指しているのがわかった。
一回も「タイトルを獲るんだ」ということは口にせず、以前だったらそういうことにモチベーションを見出していたかも知れないけど、最後はそうやってもっと高いところを目指して行ったのよ。
彼が練習しているその姿がどれほど集中力に満ちて、強い意志に溢れていたか、見せたかったわ。
(でも)未だに彼がどうやって(あのユーロ優勝を)成し遂げたのか、分からないけどね。
と、最後は笑うトレイシー。
そして
もう、ハートよね、ハート。
で、締めくくります。
以上、本当にザッとですが、トレイシー母さんのインタビューを部分的にシェアしました。
なお、元の音声データをぜひ聞いてみてくださいね。
さあ、ライストに戻ろう。