先週末のGPロシア杯のフリー演技後、記事を上げることなく昨夜、日本からカナダに戻りました。
寒い。マイナス気温の世界に早く慣れないと。
さてさて、羽生選手の負傷が大変気になるところですが、彼が今後、どの試合に、どの様に参加するかは本当に自分の考えと気持ちだけで決めてほしいですね。
五輪を二連覇した時点で、羽生結弦選手はただただ、自分のためにだけ現役生活を続ける自由を獲得したわけですから、その後はたとえ4回転アクセルを試合中に成功させることのみ、目標にして試合に出たとしても誰も何も言う権利はないはずです。
ところが羽生選手は真っ直ぐなアスリート魂を持っているので、GPシリーズをすっ飛ばして勝手気ままにB級の国際試合に出て技を試したり試さなかったり、などといったことをしません。律義にオータムクラシックから足慣らしを始めて、GP大会も二つしっかり出て、二つ優勝して、ファイナル進出を決めるところまで達成しました。
当然のことながらバンクーバーのGPファイナルには出てほしいけれど(というか、本当に本当に本当に出てほしいけれど)、羽生選手がその場で証明することは残されていません。過去4度の優勝を飾っているので、「5回目」の優勝となれば数字としては綺麗だけれど、それで彼の GOAT (Greatest Of All Time) の評価が大幅に変わるわけではありません。
なので怪我を悪化させる可能性を考えると、(GPFへの出場は)その後のシーズンの運びに影響を及ぼすほどの価値があるとは私に思えません。
オータムクラシックで羽生選手の戦う姿を見た後、書いた記事
2018年オータムクラシック:少しも逃さず、焼き付けておこう
を読み返してみましたが、あの時に感じたことが今となってはよりいっそう、切実に胸に迫ってきます。彼はいつもギリギリのところで、あまりにも出し惜しみなく自分の全てを懸けて大会に挑むので、いつ何時、それが見られなくなったとしても不思議ではない。
でも私自身、記事にしたくらいだからそれが分かっていたはずなのに、フィンランド大会で羽生選手がすんなりとショートとフリーで(その時点での)今季最高スコアを出して優勝してしまったものだから、「ああ、やっぱり今年も彼の雄姿を拝むことが出来るんだ」という安心感を持ってしまったかも知れません。
おまけに続くロシア杯のショートでまた記録を更新してしまったものだから、このまますんなりとフリーも完璧な演技を見せて優勝するだろう。順当にファイナル進出を決めて、世界のトップ6選手たちが戦う場に出てくれるだろう。そしてまたそこでも誰が王者であるのかを証明してくれるに違いない。その後は全日本に出て、日本一のタイトルに輝き、日本代表チームのリーダーとして世界選手権へと向かうに違いない。あ、四大陸選手権くらいはスキップするかな?それとも北米開催だから出るかな?などなどと、勝手に先走りしていたかも知れません。
過去何シーズンも私たちに多くの感動と興奮を与えて来てくれた羽生選手だから、つい、それがいつまでも続くと錯覚してしまいがちなのです。
なのでこの機会にもう一度、そんな油断した気持ちを引き締めて、羽生選手の回復を祈り、彼の現役としての演技を少しでも長く、少しでも多く見られるような状況が整うことだけを願いましょう。
いずれにしても私は再来週、バンクーバーのGPFに向かいます。すでにメッセージにてバナー掲載についての質問を頂いていますが、主催者グループに伝えて回答を待っているところです。何か他に調べることがあれば、コメント欄あるいはメッセージでお問い合わせください。なるべく調べて情報を共有できるようにしたいと思います。