GPスケートアメリカの競技初日が終わり、色々と面白い記事が上がってきています。さすがにアメリカでの大会、しかもアメリカの選手が大勢出ていることもあるでしょうが、英語の記事が非常に充実していますね。
中でもベヴァリー・スミスさんの記事が面白い:
Stolbova and Klimov: fighting to get back to the top
ソチ五輪では銀メダルに輝きながらも、その後は苦難の数々を乗り越えざるを得なかったロシアのペア、ストルボワ&クリモフを描き、ストルボワの完璧主義と熱さにはクリモフがちょうど良い緩和剤なのだ、というお話。
Liam Firus: spinning straw into gold
先週末はポーランドのワルシャワ大会に出場し、カナダに帰ってきたとたんにスケアメにお呼びがかかったリアム・フィルス選手。洗濯するや否や、荷造りして車を自分で運転してレイク・プラシッドにすっ飛んできたそうです。
All about working smart
こちらは日本女子にまつわる記事です。宮原選手の復帰に対するひたむきな姿勢を追い、同じコーチのもとで練習する本田選手にもちょっと言及、最後には樋口選手に対する称賛の言葉もあり。
そしてこちらは男子SPのサマリー。
The cast of characters in Skate America’s men’s short program
もちろんネイサン・チェン選手についても細かく書かれていますが、そのほかにもリッポン選手、ヴォロノフ選手、そしてサモヒン選手にも話が及びます。各選手の発言がそのまま引用されていて、非常に読みごたえがあります。
以前にもこのブログで書いたことですが、北米(というか日本以外の)記者さんたちの書くものを見ていると、選手たちの言葉をとても大事にして、なるべくparaphraseせず(つまり勝手に省略したり、要約したり、言い換えたりせず)にそのまま取り入れて読者に伝えていることが私には印象に残ります。
スミスさんの記事と同じような内容(男子SP)で、Lynn Rutherfordさんの記事もとても興味深い。
Chen dominates field to take lead in Lake Placid
ネイサン選手は「King of Cool」、そしてリッポン選手は"self-deprecating wit”(自虐ネタ満載のウィット)がある、というラザフォードさんのコメントが良い。スミスさん同様、この大会の男子競技は面白いキャラが揃った、ということでしょう。
そしてネイサン・チェン選手に関しては以下の二つも:
Placid pieces: Chen needs new duds, not quads
衣装がまだSP・FSとも出来上がっていないけど、上下黒(ショート)あるいは上は紺で下は黒(フリー)のシンプルないで立ちでも十分、インパクトがあるとのこと。
Nichol takes Chen through artistic rite of passage
私は特にこの記事が良かったと思います。ネイサン選手と伝説の振付師ローリー・ニコルとの出会い、そしてシェイリーン・ボーンとのコラボレーションが今シーズンの彼にもとらした新境地。これはすごい。
おそらくこれらの記事に関しては部分訳、全訳、あるいは要約が出ていることでしょうからあえてこちらでは試みませんが、また何か質問があればどうぞ。
最後にひとつ:レジャイナでのスケートカナダ大会で、英語メディアの記者さんたちが日本人選手にも取材したいんだけど、とおっしゃっていたのですが、選手の皆さんは日本メディアの取材に対応するので精一杯、時間がないので無理、ということでかないませんでした。
囲み取材のところに一生懸命、レコーダーを突っ込んで音声を録ることしかできなかったのですが、その聞き取りをお手伝いした際に、「なんか日本のメディア取材って、その選手の人柄が出てくるような質問が少ないね。これはそういう面について聞いたらダメって言われてるの?」と言われました。
どうなんでしょうね。