淡々と、そして愛を持って撮り続ける人:カーマイケルさんのアーカイブを見ていて思ったこと(その②) | 覚え書きあれこれ

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記憶力が低下する今日この頃、覚え書きみたいなものを綴っておかないと...



私がカーマイケルさんのアーカイブ写真からピックアップした2009-2010、2010-2011、2011-2012年シーズン(羽生選手に特化)については前の記事をご覧ください。


この記事ではその後のお写真を取り上げます。


2012年スケート・アメリカ


Photo by David Carmichael



Photo by David Carmichael

Photo by David Carmichael



Photo by David Carmichael


2012年NHK杯


Photo by David Carmichael


Photo by David Carmichael



Photo by David Carmichael


Photo by David Carmichael


2012年GPF


Photo by David Carmichael


Photo by David Carmichael



Photo by David Carmichael



Photo by David Carmichael



2013年四大陸選手権



Photo by David Carmichael


Photo by David Carmichael


Photo by David Carmichael




Photo by David Carmichael



2013年ワールド


Photo by David Carmichael



Photo by David Carmichael



。。。


というわけでとりあえずこの2012-2013年シーズンの終わりまでの写真を貼り付けてみました。


もちろん、この後のシーズンも現在に至るまで全てそろっているのですが、ここまでですでに私はカーマイケルさんの写真の特徴、というか、傾向を感じていました。


それは要するに、カーマイケルさんの撮る写真が(羽生選手に限らずどの選手についても言えることですが)、


1)「その選手のその大会における、ありのままの姿を写している」ということ。

こちらではスポーツ雑誌の代名詞とも言われるSPORTS ILLUSTRATED などに載る写真は、角度や光や構図や色なども全てがドラマチックなものが好まれますが、カーマイケルさんが狙っているのはそういったものではない。つまり、いわゆる(雑誌編集者にも、ファンにも)「売れる・ウケる写真」が彼の専門ではない、という風に感じます。

また、撮り終わった画像も露出や色合いがさほど調節されていないし、フォトショップでやたら加工されているようにも見えない。

ごく淡々と目の前で展開されている試合の記録を取っている、という印象を受けます。


その結果、調子の良い時の演技は選手も生き生きとした強気の表情で写っている物が多く、そうでないときは不安そうな、ちょっと気弱な表情がこちらに伝わってくる。だからか、カーマイケルさんのHPからある大会におけるある選手の演技の写真を選ぼうとすると、良い写真がとても選びやすい時と、なかなか見つけられない時があるのに気づきます。

(なお、これ ↑ は私だけがそう思うのかも知れないので、皆さんもどうか試してみてください。


2)ここでは羽生選手だけにしぼって写真を選びましたが、カーマイケルさんのHPに行けば、他のお気に入りの選手の写真を同じように時系列的にリストアップすることがたいてい、可能です。

なぜなら人気のある選手、順位の高い選手、だけを撮っているのではなく、なるべく多くの参加者の写真を撮るのを使命としているからです。

トップ選手だからより凝ったアングルで撮るのではなく、どの選手に対してもカーマイケルさんが愛情とリスペクトを込め、丁寧にカメラに収めているのが分かります。

すでにお話ししたことだと思いますが、カーマイケルさんはシーズンを通して、自分の撮った写真を根気よく整理して、選手ごとにディスクに焼いて、次に会えるであろう試合には必ず持参して会場で手渡すようにしています。

これもまた、有名なスケーターだけではなく、全員に、

当然、男子だけではなく、女子、ペア、アイスダンス、シニア、ジュニア、全ての競技において

ということですから気の遠くなるような作業です。


そして面白いことに、「売れる」写真ばかり狙っているのではないからこそ、カーマイケルさんには他の誰にも撮れないような珠玉のシャッターチャンスが与えられる。


コーチと選手のキスクラでの柔らかい表情(2012年ワールド)


Photo by David Carmichael



Photo by David Carmichael


ボード際でのひととき(2015年ワールド、および2016年ワールド)


Photo by David Carmichael



Photo by David Carmichael



Photo by David Carmichael



Photo by David Carmichael


そしてEXの練習などや(2011年四大陸選手権にて)



Photo by David Carmichael



Photo by David Carmichael



もちろんバンケットでも

2009年と2011年のGPFバンケットで、モイヤー、ホワイト、シブタニ選手たちの「スペシャル・ポーズ」


Photo by David Carmichael



Photo by David Carmichael




同じく2009年と2011年のGPFバンケットにて(ジュニア&シニア混合)



Photo by David Carmichael




Photo by David Carmichael



特定の選手だけ、有名になったとたん、カメラを向けてバシャバシャとシャッターを切りまくるフォトグラファーがあまたいる中、昔からコンスタントに、自分たち全員を暖かい目でフォローして来てくれた人だから、選手たちも安心できる。


そして「スペシャル・フォトお願いー」と言ったら喜んでポーズも取る。



Photo by David Carmichael



それがデイビッド・カーマイケルというフォトグラファーなんだな、と思います。


(これは書き忘れてあとで追記していますが、カーマイケルさんはある選手の現役時代、隆盛期だけにカメラを向けるのではなく、彼ら、彼女らが引退した後でもショーなどで会うことがあれば、変わりなく挨拶をして、喋りかけ、写真を撮っています。そういった所も全ての選手やコーチたちに信頼され、愛される所以でしょう。)


まあ、こんな感想をカーマイケルさんに送ったら、一日空いてお返事がありました。


読んでてなんだか照れくさくなって、どう返事していいのか分からなかった。

でもぼくの気持ちや姿勢を本当にドンピシャで言葉にしてくれてありがとう。選手とコーチたちと、フィギュアスケートというスポーツを愛しているから、やっていること。

自分の一番好きな事を三つも(スケート、旅行、写真)組み合わせて過ごせるだなんて、なんて幸せなリタイアメントだろう。



とのことでした。


カーマイケルさん、これからもよろしくお願いします。




Photo courtesy of David Carmichael