クリスマスが近づき、息子たちが帰省して来て急に忙しくなって来ました。
なのにベヴァリー・スミスさんが待望のシェイリーンさんのインタビュー記事を上げてくれちゃって、あたふた。また時間が許せば要約したいと思います。
さて、一つ前の記事:
朝の食卓での会話:「カップに紅茶を注ぎ過ぎてこぼれたら。。。」
へのコメントありがとうございました。
一人一人にお返事する代わりにこの記事をアップしましたのでご了承ください。
(他の記事へのコメントにもまだ返事をし終えてないのに次々と新しいのを書くな、っていう話ですが、そちらはきっと返しますのでお待ちください!)
「英語ネタ」の記事は書いててとっても楽しいです。ひとつの言葉から色々と話が展開していって、それをきっかけに調べものをしたりすると思いがけない発見があります。
中でもすっかり忘れていた映画のタイトルを引き合いに出してくださった方々、感謝です。
私、実はこの映画、わざわざ映画館まで観に行ってるんですよ。当時はスタローンのファンでした。。。(キャー恥ずかしい)
なので
「アーム・レスリング(腕相撲)」をテーマにした映画なんて、
と苦笑しつつも足を運びました。
1987年の映画だというから、スタローンはこの頃まだ41才。たぶん、外見的にはピークのカッコ良さだったんじゃないかと思います。
動画とか見ても、すごく綺麗(という表現が適当かどうかわかりませんが)。
で、この映画のタイトルの「OVER THE TOP」ですが、自分の記憶の中ではなんとなく、腕相撲のテクニックの名前じゃなかったかな、という気がしていました。調べると、まー、ちゃんと詳しく写真付きで解説してくれている方がいらしたので、ご紹介しましょう。
こちらのサイト
あらすじは:
スタローン演じるキャラ、長距離トラック野郎でその名も「リンカーン・ホーク」が、かつてお金持ちの令嬢と駆け落ちしたものの、義父の妨害によって妻と息子と別れるしかなかった。
普段は温和な性格のホークだけど、いったん、野球帽を後ろ前に被りなおすと、最強のアーム・レスラーとなって賞金を稼ぎまくる。
「Over the top」はホークが試合の「仕上げ」に使う技で、手首を返して、相手の手を握り直す。そして覆いかぶせるようにして、倒す。
(この技、別名「TOP ROLL」とも言うそうです。)
すでにこの設定だけでかなり笑えるんですが、どんどんエスカレートして、ホークさん、最後には世界大会かなんかに出ちゃって、バカでかい禿げオジサンと対決して、もちろん優勝する。
そして息子の親権を取り戻す。
映画のクライマックスで、ホークの息子、マイケル君が
"Over the Top, dad! Over the Top!"
(↑のお写真コラージュは:http://www.i-mockery.com/minimocks/over-the-top/より)
と叫ぶところも何となくスタローンの代表作「ロッキー」を彷彿とさせる場面。
あらすじを読んだだけだとなんとも馬鹿々々しいストーリーなんですが、見たらそれなりに引き込まれるんですよ。ほんと。
こうやって楽しい寄り道もしながら、改めて記事にしようと"OVER THE TOP"という表現について調べてみました。
最初の記事でも書きましたように、日本でこの表現が歌などにどう使われているか、とか、検索するとどういった和訳が出て来るか、ということは問題にしていません。
(全く日本語が読めない、分らない)英語話者にとって、大きな文字で「OVER THE TOP」という見出しだけが英語で書かれていて、文脈も何も分からない場合、一番先に頭に浮かぶ解釈は
北米の場合(Google 検索で"over the top meaning”と入力して出てきた結果です):
また英国の場合でも(Cambridge Dictionaryの定義):
となります。
いずれにしても、「過剰な」とか「大袈裟な」とかそういったニュアンスがあるのが分かります。
面白かったのは、さらに掘り下げると、第一次世界大戦中、「イギリスやフランス」対「ドイツ」との戦いにおいて「TRENCH WARFARE (塹壕戦:ざんごうせん)」が戦術として使われていたことに関連している、という説が見つかったこと。
(http://wwitrenchwarfares.weebly.com/over-the-top.htmlより)
最後の手段として壕から駆け上がり、淵を超えて敵の陣地の方に突撃することを
"Going over the top"
と言ったそうなのですが、当然のことながら決死の行為なので歩兵たちの間では一番、恐れられている指令でした。
敵の銃や大砲が待ち構えているところに体一つで立ち向かって行くわけですから。。。向こう側にたどりつく数と、それまでに命を落とす数とのアンバランスからしても当然ですね。
何千、何万という数の兵隊が命をこの行為によって失ったことから、戦争の残酷さ、虚しさ、愚かさの象徴となり、現在も「常軌を逸した、行き過ぎた」という意味合いがついて来るようになったのですね。
外国語のフレーズを使うとお洒落だから、という言い分は分ります。
それならばそのフレーズが元の言語でどういった意味なのか、はインターネットがあればものの数分で調べのつくことです。
その際、和訳を探すのではなく、元の言語での定義を探さなくてはなりません。
元の言語だけでは分からない場合は、その言語を母国語とする人を見つけて聞くのが手っ取り早いでしょう。それもなるべくなら一人ではなく、二人、三人に確認すること。
そういう人が身近にいないから、という理由で確認を怠るのであれば、そのフレーズは使わないのが無難。
ちなみに私、昨晩は義姉とその家族に「Over the top」の解釈を聞いてみました。皆、最初の記事でご紹介した主人と同意見でした。
(ついでに「メモリアル」に関してもアンケートを取ると、全員、「追悼」という意味だと言いました。)
以上、皆様からのコメントに反応して、さらに書いてみました。
ご参考になれば幸いです。