昨年もこの時期にトロント国際交流基金に依頼されて、「トロント国際作家フェスティバル」に参加しにいらっしゃる日本の作家さんの通訳を務めました。その時は中村文則氏がトロント大学の学生さんと交流する、というので一緒に文学部のゼミに行ったのでした。(その時の模様はこちらの記事でどうぞ:「スケカナ前にバタバタ:文化の秋だああ!」)
そして今年は角田光代さんがいらっしゃいました!
数々の話題作を発表され、超・売れっ子作家でいらっしゃいます。私も今回のアサインメントに備えて『八日目の蝉』を二日間で読破し、すっかりファンになりました。
さて、その角田さんが今回、訪れたのはRYERSON大学というトロントの都心にある学校です。そこの出版業界に関する講義を受けている学生さんたちのクラスに招かれた、というわけです。
非常に活発な質疑応答、知らないことばかりで大変、勉強になり、一時間半にわたって有意義な時間を過ごすことができました。
カナダの学生さんは角田さんによって明かされる日本の出版業界、作家の活動などについてのお話に熱心に聞き入っていました。
さて、その一端として
「現在、日本の出版業界でのトレンドとして何を挙げるか?」
と聞かれた角田さん。
日本ではカナダのようにスポーツと言えばホッケー、といったような一貫したものがなく、時流によって売れるものがすごく左右される。たとえば今ならワールドカップで沸いたラグビーが旬で、ラグビー関連の物だったら何でも売れる。
もう一つ、売れているのはフィギュアスケート関連の本。羽生結弦が出ていたら売れる、という傾向がある。
「だって、トロントに来る前に下調べしておこうと思って、『トロント』ってキーワード検索したら、その後にすぐ『羽生』って出て来るんです。どうやら彼がトロントで練習してるんだということが後でわかったんですけど」
と、笑いながらおっしゃってました。
いやーん、こんな所でも「彼」の話題が。