2015年トロント国際映画祭:怒涛の一週間レポート「バケモノの子」 | 覚え書きあれこれ

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記憶力が低下する今日この頃、覚え書きみたいなものを綴っておかないと...



何という怒涛の一週間。


こう書くと


「え?たったの一週間?」


と思うほど、先週の日曜日は遠い、遠い日の様な気がします。



今年のトロント映画祭は、最初のアサインメントが細田守監督の「バケモノの子」








現在日本でも大ヒットし、興行収入では過去の細田作品を抜いて一位になっているそうですね。



トロントでも細田監督の人気は高く、当日の上映会は満席でした。




しかしのっけから驚くべきことが起こったのです。


上映が始まる20分前に監督とスタッフの皆さんにお会いし、打ち合わせをするために控室に行くと、私が名前を告げるか告げないかのタイミングで


「あのー、実はね、うちの妻がブログを読んでるんですよ」



と細田監督ご自身に言われ、一瞬、何のことか分かりませんでした。



「え、私のブログを、監督の奥様が、ですか?」


と聞き直すと、どうやらそうらしい。なんでまた?



もちろん、細田監督が私のブログのことをご存じなのは、私が過去記事でトロント国際映画祭で今年も通訳を担当する、と書いたことを奥様から知らされたのがきっかけだったそうですが、


そもそもなぜ私のブログをその前から読んでいらしたのかが分りませんでした。



「えっと、ガーデニングのこととか、書いてらっしゃいます?」



「いえ」


「えー、じゃあ、なんだろう」


「もしかして…奥様がスケートファンだとか?」


「あっ!!そうだ!!」


と監督のみならず、スタッフの皆さんが大きな声で納得。奥様のスケート・ファンぶりはどうやら有名なようです。


(と、ここまで書いてお断りですが、細田監督にはこのトピックに関して私のブログで紹介しても良い、というご承諾をいただいています)



そうなんです。皆さまご推察のとおり、細田監督の奥様、そしてそのお母様も実は


我らが羽生結弦選手の大ファンなんですって!!




ジュニアからシニアに上がる頃からフォローしていらしたとのことで、それからしばらくその話で盛り上がりました。


細田監督はご自分の映画をあまり見ない、というタイプの様で、上映開始直前の舞台挨拶が済むと近くのホテルにスタッフの方々と向かい、待機することになりました。そこに向かう途中もずっと「いやー羽生選手って本当にしっかりと喋りますよねー」だの、「真央ちゃんはー」だの、「髙橋クンもー」だの、かなりスケートにはお詳しいことが判明。



まあそれはさておき、上映会が終わるのを見計らって再度、会場に戻りました。大きな拍手に迎えられて、監督と壇上に上がり、質疑応答が始まりました。


(スタジオ地図の公式ブログより)




このお客さんとの非常に活発で楽しいやり取りの模様はシネマ・トゥデイ


『バケモノの子』細田守監督がトロントでサイン攻め!感激のあまり泣き出しそうなファンも【第40回トロント国際映画祭】


に詳しくレポートされていますのでそちらでどうぞ。


私の個人的な感想としては、監督が一つ一つの質問に、真摯に取り組んで答を考え、質問したお客さんに語りかけるように話していらしたのが印象的でした。


まるでそこが大きな映画館ではなく、二人っきりで話をしているような感じ。ファンにとって、どれだけ嬉しかったでしょうか。



ということで大盛り上がりの質疑応答セッションだったのですが、この後が凄かった。



会場を出ると待ち受けたファンからサイン攻めに遭った細田監督は本当に、本当に丁寧に応じ、なんと一人一人に名前を聞くだけでなく、絵を描いてプレゼントなさったのです!!!







当然のことながらファンは感動のるつぼ。大騒ぎになりました。


しかも皆に声をかけ、感想を聞き、反対に質問までなさるというサービスぶり。


中でも「オオカミの子」が好き、と言った女の子には、それまでずっと「熊鉄」の絵を描いていた監督が咄嗟に「雪」の絵を描いてサインすると、もう彼女は声も出ずに震えていました。


この時の事を本人が速攻でツイッターに上げ、興奮をシェア:






(「この時、本物の涙が流されたのでした」というコメントつき)



後に監督は


「いやー、アニメやってて一番良かったな、って思うのは、サインする時に絵を描いてあげられることなんですよ」



とおっしゃって、その優しさに改めて感動しました。


ファンとの交流の模様は「スタジオ地図」の公式ブログに詳しく載っています。



なお、日本ではテレビのニュースでも細田監督のトロントでの人気ぶりが報道されたらしく、すぐに友人のNちゃんから「あんた!写ってたよ!」とのメールがありました。その後、監督の横に立っている私の写真がそこかしこで出たのですが、それを見た主人が


「まあ、角度のせいもあるんだろうけど、あの服はちょっとクリントンさん(もちろん、ビルではなく、ヒラリーさんの方)っぽかったんちゃうか」


と言われ、ショックを受けました。



この次の上映会の服装には気を付けよう、と思った初日でした。


(つづく)